シーズン16 登場人物
⚪️ 明日香さん 当時30歳
今回の相談者。大好きな彼氏とその後結婚。しかしその直後、元婚約者が現れて・・
⚪️ 恭介 当時31歳
合コンで知り合った明日香さんの夫。とても優しい。と思っていたら、元婚約者から衝撃の過去を聞かされる。
⚪️ エマさん 恭介の元婚約者 当時29歳
次々と恭介との過去の話を打ち明ける。
⚪️ ヒカリ エマさんの親友
1歳になる男の子がいる。
⚪️ 良美 美容師
恭介のことを、恭ちゃんと呼ぶ女。仕事もしたいし、子供が好きじゃないので、結婚はしないと言っているが、実は本名の既婚者男性がいるので、恭介は浮気相手。
エマさんが実家に着いた時は
すでに深夜になっていた。
エマさんの母
「エマ、おかえり。
まずはなんか食べる？」
エマさん「…食べる…」
玄関先で、笑顔で出迎えてくれた。
エマさんの母
「おそうめんとか、うどんがいい？
果物とかがいい？」
エマさん
「…おそうめんと、
果物がいい・・・」
何も聞かずに、すぐに
食事を準備してくれようとする母に
涙が出そうになる。
自分もこれから
母になろうとしているのに
なんて弱いんだろう。
こんなことで、赤ちゃんを産んで
笑顔で育てられるのだろうか。
急に、不安になってくる。
エマさんはそう思いながら
リビングに入ると
父親が心配そうな顔をして
待っていてくれた。
エマさんは父親に似て
早寝をする方なのだが
そんなわけで本来父親はいつもなら
寝ているはずなのに。
エマさん
「お父さん、待っててくれたんだ・・
ごめんね、急に帰ってきて。」
エマさんの父
「そんなこと気にするな。
それより、どうしたんだ？
なんかあったのか？」
エマさん
「・・今日は遅いし、明日話すよ。
私も明日仕事だし、、
これから話をしてたら
お父さんもお母さんも
眠れなくなっちゃうから・・・」
エマさんの父
「そんなの、別にいいから。」
エマさんは首を横に振る。
今から話して、すぐに終わる話じゃない。
というより、
今日は、話せないと思った。
自分の娘は、幸せに暮らしていると
思ってくれていたはずなのに
今の状況を話したら、傷つけてしまう。
そう思うと、言い出せなかったし
自分が情けなく、恥ずかしい。
エマさんは途中、何度も携帯を見たが
恭介からの連絡はなかった。
母親は何も聞かずに
深夜にも関わらず食事とお風呂まで
準備をしてくれて
その日はそれ以上エマさんには
何も聞いてこなかった。
◆
エマさんはいつもより1時間
早く目が覚めた。
どちらにしても通勤時間が
長くかかるので、
すぐに準備をしなければいけない。
ふと、携帯に目をやる。
恭介からLINEが来ていた。
入っていたのは朝の5時頃。
恭介LINE
「エマちゃんおはよー。
昨日はごめんね。
ちょっと俺も一方的だったかなって
反省してる。
今夜は早く帰るから
ちゃんと話し合おう。」
エマさん「……」
ああ、やっぱりこの男やべーやつ。
と突っ込んでいるのはパンダで。
エマさんはこの時すでに
恭介の洗脳状態になっていることを
気づいていなかった。
つまり、この文章を読んで
少し心が揺れたのだ。
周りから見たら
なんでやねん！
と、強めに突っ込みたいところだが
結婚したいほど好きになる男のことを
盲目的に好きになる人は
少なくないだろう。
事実、日常の友人付き合いでも
会話の端々に
「彼がこういうから」
「旦那に確認しなきゃ」
と、やたら彼氏や旦那を登場させて
そのジャッジは自分ではなく
彼が主体になる女性はいる。
そのお相手と、
良好な関係が築けている時は
それでもいい。
けれど、結果的にその彼が
実はヤバイ奴だったとしたら。
しかもそれがわかるまでに
長い年月をかけていればいるほど
離れさせるのは、
周りが思うほど、簡単ではない。
さぁ、、
恭介からのこのLINEに
エマさんは、
なんと返事をしたのでしょうか、、、、
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