シーズン16  登場人物

 

⚪️ 明日香さん 当時30歳

 今回の相談者。大好きな彼氏とその後結婚。しかしその直後、元婚約者が現れて・・

 

⚪️ 恭介 当時31歳

 合コンで知り合った明日香さんの夫。とても優しい。と思っていたら、元婚約者から衝撃の過去を聞かされる。

 

⚪️  エマさん 恭介の元婚約者 当時29歳

 次々と恭介との過去の話を打ち明ける。


⚪️ 良美 美容師 
 恭介のことを、恭ちゃんと呼ぶ女。仕事もしたいし、子供が好きじゃないので、結婚はしないと言っているが、実は本名の既婚者男性がいるので、恭介は浮気相手。

 

 

 

 

 

恭介が帰ってこなかったその日、

エマさんは仕事中

色々と考え過ぎてしまって

集中出来なかった。

 

お手洗いに行くと、

涙がポロポロ溢れてくる。

 

 

どうしてこんなことに・・・?

 

 

いや、そもそも恭介は自分に

愛などなかった。

 

それを見抜けず婚約中に

妊娠までしてしまった。

 

 

 

 

今夜恭介は、帰ってくるのだろうか。

 

 

帰ってきたら、

何をどうしたらいいのだろう。

 

 

 

携帯を見たこと、

話すべきなのか、

話さないべきか、、、

 

 

 

 

エマさんは会社から

恭介にLINEをする

 

 

 

エマさんLINE

「今日、何時ごろ帰ってくる?

 何食べたい?」

 

 

 

 

いつも通り、LINEしてしまう。

 

浮気している男の食事を

どうして自分は

用意しようとしているのか。

 

 

 

 

恭介から返信があったのは

エマさんの仕事が終わる頃だった。

 

 

 

 

 

恭介LINE

「いつも通りの時間に帰るけど

 なんか買って帰るから

 食事は作らなくてもいいよ。

 

 それよりちょっと、

 話したいことがあるんだ。」

 

 

 

 

 

エマさん

(話したいこと・・・)

 

 

 

 

胸騒ぎがする。

 

 

 

 

 

昨日絶対に、良美と会っていた。

 

 

そこで恭介は、

どんな決断をしたのだろう。

 

 

 

 

強い不安が押し寄せてきて

エマさんはお腹をさすりながら

また涙が溢れてきた。

 

 

 

 

 

 

家に帰って、しばらくしたら

恭介が帰ってきた。

 

 

 

恭介

「ただいま。」

 

 

 

エマさん

「おかえり。昨日は大変だったね。

 後輩の方、大丈夫なの?」

 

 

 

 

恭介

「いや、大丈夫そうじゃ無い。

 

 これからしばらく

 そいつについてやらないと

 いけないかもしれないから、

 

 外泊が増えるかもしれない。」

 

 

 

 

エマさん

「・・・・え、、、、」

 

 

 

 

 

やはり明らかに、

恭介の態度が違う。

 

 

 

これまでならエマさんの体調を思い、

いつ何があるかわからないから

一緒にいられるときは

なるべくそばにと

言っていた人なのに。

 

 

 

 

 

エマさん

「そう、、、なんだ。

 

 そんなに大変なんだ・・」

 

 

 

 

その浮気相手のところなの?

 

 

 

今すぐ言えばいいのに

すぐ言葉に出てこない。

 

 

 

 

それから恭介は手を洗いに行き

着替えをして、

リビングに戻ってくると

テーブルの上に、

買ってきたものを並べ始める。

 

 

 

 

エマさん

「ありがとう。買ってきてくれて。」

 

 

 

 

そこに並んでいたのは

スーパーの茶色いお惣菜。

 

 

野菜や、さっぱりしたものがない。

 

 

こういうところもいつもなら

買って帰る前にエマさんに

必ず連絡をくれて

 

(今日は何食べたい?)

 

 

と、並べられているものを

写真まで送ってきてくれるのに

自分の好きそうなものだけを

買ってきている。

 

 

 

 

恭介

「あー、お腹すいた。

 もう食べていい?」

 

 

 

エマさん

「あ、うん。食べよう。」

 

 

 

 

 

正直、エマさんが

食べたいと思えるものが

ほとんどない。

 

 

 

エマさん

「・・・・・ごめんね。

 

 今日はちょっと、

 つわりがひどいみたい。

 

 あんまり夕飯食べれないかも・・・」

 

 

 

 

 

恭介

「そうなんだ、残念。

 

 じゃあこれ、

 残したらもったいないから

 食べといていい?」

 

 

 

エマさん

「うん、、、、」

 

 

 

 

この人は、一体誰なの。

 

 

 

 

いや、これが本当の恭介なの?

 

 

 

 

 

エマさんは、困惑しながら

いったんその場から立ち上がる。

 

 

 

すると

 

 

 

 

恭介

「それでさ、話があるんだけど」

 

 

 

 

茶色い惣菜を黙々と食べながら、

エマさんの顔も見ずに、そう言った。

 

 

 

 

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