シーズン16  登場人物

 

⚪️ 明日香さん 当時30歳

 今回の相談者。大好きな彼氏とその後結婚。しかしその直後、元婚約者が現れて・・

 

⚪️ 恭介 当時31歳

 合コンで知り合った明日香さんの夫。とても優しい。と思っていたら、元婚約者から衝撃の過去を聞かされる。

 

⚪️  エマさん 恭介の元婚約者 当時29歳

 次々と恭介との過去の話を打ち明ける。


⚪️ 良美 美容師 
 恭介のことを、恭ちゃんと呼ぶ女。仕事もしたいし、子供が好きじゃないので、結婚はしないと言っているが、実は本名の既婚者男性がいるので、恭介は浮気相手。

 

 

 

 

その日エマさんの妊娠を知り、

その結婚は破談にしろと

LINEで恭介に迫る良美。

 

 

衝撃的なLINEにショックを受けながら

けれどそれでも

もっと前のやりとりに遡りたいと

携帯をスクロールさせていた時。

 

 

 

 

エマさんの目線の先で、恭介が

目を開けるのがわかった。

 

 

 

 

エマさん

「!!」

 

 

 

エマさんは慌てて

持っていた携帯を

ソファーの下に投げ込んだ。

 

 

 

恭介の目線からはちょうど

手元は死角になっていたはずだ。

 

 

 

 

 

 

恭介

「んんん、、あれ?

 どうしたの?起きてた?

 

 眠れない?」

 

 

 

 

エマさん

「いや、、妊娠してると

 お手洗いが近くなるって

 本当だね、、1時間おきに目が覚めたり

 喉が乾いてきて、、、

 

 それでさっき起きて、

 眠れなくなったから、

 

 さっきから少し

 ネットサーフィンしてた。」

 

 

 

 

内心ハラハラしすぎていて

早口で色々、話し過ぎてしまう。

 

 

 

 

 

恭介

「そうだけど、

 布団に入ってたほうがいいよ。

 

 身体冷えるから。」

 

 

 

 

恭介は、最後に来ているLINEを

まだ読んでいない。

 

既読にしてしまったけれど

寝落ちしていたなら

そこは気にしないだろう。

 

でも、、さっきソファーの下に

投げ込んでしまった携帯は

まだ目線の先で、

トップ画面が光っている。

 

 

 

 

どうしよう、どうしよう、、、

 

 

 

 

エマさん

「うん、そう思ったんだけど

 起きたら隣にいないから、、、

 

 それで寂しくなって、、」

 

 

 

 

咄嗟の嘘をついた。

 

 

 

 

恭介

「もう、仕方ないな。

 

 俺もベッドで寝るつもりが

 ついついここで

 寝落ちしちゃってたよ。

 

 一緒にあっちで寝ようか。」

 

 

 

 

エマさん

「うん、、、」

 

 

 

 

恭介

「あれ、携帯、、」

 

 

 

 

エマさん

「そんなの明日でいいじゃない。

 もう寝よう。

 

 なんか、最近ちょっと

 腰が痛くなってきたんだよね・・

 

 さすってもらえる?」

 

 

 

 

恭介

「あぁ、、うん。大丈夫?」

 

 

 

 

 

恭介はそのまま、

ベッドまでついてきた。

 

 

そして、横になって

エマさんを抱きしめる。

 

 

 

 

エマさん

「・・・・おやすみ・・・」

 

 

 

エマさんは、静かにゆっくりと

深い息を吐く。

あのまま見ていたのがバレたら

どうなるところだったのだろう。

 

 

そう思いながら、目は閉じないで、

恭介の寝息が聞こえるまで

じっと耐えた。

 

 

 

 

しばらくして、エマさんは

恭介の腕をゆっくり解いて

ソファーの下に入れた携帯を

確認しに行く。

 

 

確認したら、

さすがにそこにあるままでは

不自然な場所だった。

 

 

 

エマさんはソファーの脇に

携帯を移動させてベッドに戻った。

 

 

さすがに今夜もう1度

恭介が起きてきてしまったら

もう誤魔化すことができないと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

 

いつものように

エマさんの方が早く起きて

朝の支度をする。

 

 

キッチンで、

朝ご飯の準備をしていたら

恭介が起きてきた。

 

 

 

恭介

「おはよう、あれからすぐに寝れた?

 体調大丈夫?」

 

 

 

エマさん

「うん、大丈夫。ありがとう。

 やっぱり何度か目は覚めたけど

 それでもその度にすぐに寝れたよ。」

 

 

 

恭介

「そっか。妊娠中って

 大変なんだね。」

 

 

 

そう言いながら目線は、

ソファーの携帯を見つけて

画面を開きはじめた。

 

 

 

 

エマさん「…」

 

 

 

 

そして、恭介は画面を見つめたまま、

その携帯を持って

隣のベッドの部屋に移動した。

 

 

 

 

 

 

「妊娠は許せない。

 

 なんとか破談にして。

 

 それができないなら

 もう私と別れよう。」

 

 

 

 

 

恭介は今、あの悪魔のような文章を

読んだのだ。

 

 

 

 

エマさんは自分の手足が

冷たくなっていくのを感じていた。

 

 

 

 

 

 

----------------------------