シーズン16  登場人物

 

⚪️ 明日香さん 当時30歳

 今回の相談者。大好きな彼氏とその後結婚。今は新婚時代のことを書いています。

 

⚪️ 恭介 当時31歳

 合コンで知り合った明日香さんの夫。とても優しい。と思っていたら、過去に婚約者がいたことが発覚。

 

⚪️ 恭介の姉(朝子)当時33歳

 恭介のことを溺愛している、、っぽいが、今回の旅行で不倫していることが発覚。明日香さんはまだ、この人に心を開いていいのかどうかわからない。

 

⚪️ 朝子の彼氏 大森 当時39歳 

 既婚者、幼稚園くらいの娘がいる。

 

⚪️  エマさん 恭介の元婚約者 当時29歳

 次々と恭介のことを明かしていくが、本当に肝心なことは言わないので、信じていい人なのかどうか、まだわからない。

⚪️ 良美 美容師 
 恭介のことを、恭ちゃんと呼ぶ女。仕事もしたいし、子供が好きじゃないので、結婚はしないと言っている。

 

 

 
 
前回も会った、渋谷の薄暗いカフェ。
 
 
明日香さんは15分前に到着して、
携帯をテーブルに出した。
 
昨日撮影した写真は
あれ以来見てない。
もう、1人で見なくなかった。
 
 
 
LINEを開くと恭介から
(今日は牛丼、テイクアウトじゃなくて
 食べて帰るよー。
 仕事、無理せず頑張ってね!!
 大好きだよ!!)
 
 
とLINEが来ている。
 
 
 
きっと良美にもこうして
耳障りのいいことを
送っているのだろう。
 
どうしてこんなことが出来るんだろう。
 
 
自分は今までどうしてこんな
ただの無機質な電子文字の羅列に
愛情を感じていたのだろう。
 
 
 
 
明日香さん
(全部嘘だったのに・・・)
 
 
 
 
 
待ち合わせ5分前。
エマさんがやってきた。
 
 
 
 
エマさん
「すいません、お待たせして・・」
 
 
 
 
明日香さん
「えっ、いえ。
 私が勝手に、待ち合わせ時間より
 だいぶ早くきちゃったので、、」
 
 
 
この間会った時より、
柔らかい表情をしている。
きっと自分もそうだろう。
 
この間は緊張して、自分でも
顔が硬っているのがわかった。
 
 
 
 
2人は飲み物を注文し、
明日香さんの方から話を切り出した。
 
 
 
 
明日香さん
「あのそれで、、、
 まずは2台目の携帯ですが、
 暗証番号が変わってて、、、
 
 でも末尾を変えたら
 ロックが外れました。」
 
 
 
 
エマさん
「えっ。すごいですね。
 ロック解除できるなんて・・
 
 私だったら、パニックで
 そこまで思いつかないかもしれません。」
 
 
 
明日香さん
「いえ、、パニックなのは多分、、
 今もそうです。
 
 でも、パニックというか、、、
 感情がよくわからなくて
 
 怒りはありますけど
 見つけてからの方が涙も出ないし、
 
 彼が朝からいつも通り
 話しかけてくる様子を見て
 この人一体、
 何言ってるんだろう・・って
 
 今まで自分はどんな表情で
 この人と話してたんだっけって
 わからなくなってますよ・・・」
 
 
 
 
エマさん
「……そうですよね、、、
 
 ごめんなさい・・・」
 
 
 
 
エマさんが、頭を下げる。
 
 
 
 
 
明日香さん
「えっ、どうして謝るんですか。」
 
 
 
 
 
エマさん
「先日ここでお話しした後、、
 私って、自分勝手だなって、、、
 すごく思いました、、
 
 なのにこうしてまた、
 明日香さんに会ってしまう。
 
 
 ……私がこうして
 現れなければ、、、
 明日香さんは何も知らなかったのに、、
 
 
 でも、、、」
 
 
 
 
 
明日香さん
「エマさんはエマさんの、、
 
 事情があるんですよね。」
 
 
 
 
 
エマさん
「・・・・・」
 
 
 
 
エマさんが、顔をあげる。
 
 
 
 
 
 
 
明日香さん
「私、、エマさんがどうして
 こんなことを私に伝えにきたか
 
 ・・わかる気がします。」
 
 
 
 
エマさん
「……え、、、」
 
 
 
 
エマさんが、涙を堪えている。
 
 
 
 
明日香さん
「とにかく、、
 彼の携帯の画面、、、
 
 
 一緒に見てください。」
 
 
 
 
明日香さんはそう言って、
自分の携帯を開いた。
 
 
 
 
 
 
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