登場人物
パンダ…ブログ主
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘（リミちゃん）と、
小学生の息子（省太郎くん）がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
父親は寡黙な人だが、理央さんを想っている。
一人姉がいる。
理央さんの父
娘と子供を心底心配し、愛している。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレた後、なんとか再構築したいと考えているが
考え方が甘い。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方ではあるが、この母親が
省吾に甘すぎたために、振り回されている。
早苗（ミクちゃんママ）
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
子供はミクちゃんだけを引き取りたい。
早苗のご主人（浩輔さん）
早苗の不倫に深く傷ついているが、２人の子供たちを連れて
これから前に向かおうとしている。
そして、理央さん一家の4月。
諸々の手続きの関係で
まだ籍は抜いてない。
養育費については、
3月に支払ってもらったが
4月末にはどうなることか
まだわからない。
けれどそこは理央さんにとって
もう、大きな問題ではなくて
いや、払ってくれないと困るが
それでもそこはその都度闘うし、
気持ちの中ではもう
切り替えが出来ている。
2月以降本当に忙しくて、
浩輔さんともあまり以前ほどは
連絡を取らなくなったので
早苗がどこでどうしているのかも
もうわからないし、
今は聞きたいとも思っていない。
理央さんが
実家に戻って良かったと思うのは
一時期母親のことで
かなり参っていた父親が
元気になったことだ。
（孫たちのためにまだまだ
元気でいなきゃな。）
というのが口癖になっている。
施設にいる母親には
ちょくちょく会いに行っているが
今のところ大きく進行もしていないし
よくなっているわけでもない。
母親はもともと社交的な人なので
施設ではうまくやっているようだが
やはり家族である理央さんには
あたりが強く、
それが症状だとわかりつつ
切なくもなる。
だから今理央さんは、
離婚の問題が精神的にひと段落して
一番気がかりなのが、
母親のことだけれど
こればっかりはもう
考えていても仕方がないのだと
現実的に、
向き合わなければいけない。
◆
ある日の日曜日、
理央さんは午前中のうちに
母親の施設に行って
午後に自宅に帰った。
今日も母親と喧嘩をして
ナーバスな気持ちで帰ってきたが
玄関を開けるときにはいつも
深呼吸をする。
さっきまでは子供の自分だったが、
この扉を開けたら
母親なのだから、と。
理央さん
「あれ・・・」
すると、玄関まで
カレーのいい香りが
漂ってきているのに気付いた。
理央さん
（あれ、、どうして？）
食事はいつも、
理央さんが作っているので
不思議な気持ちでキッチンに入る。
省太郎くん
「うわー、ちょっと！！
待って待って待って！！
帰ってくるの早いよー。
準備後もうちょっとだったのにー」
リミちゃん
「そうだったのにー」
理央さんの父「ワハハー」
なんだか３人がとても
わちゃわちゃしている。
理央さん
「え？もしかしてこの３人で
ご飯用意してくれたの？」
よく見るとシンクの上は
ヒッチャカメッチャカで
慣れない３人が一生懸命
奮闘していたことが想像できる。
理央さんの父親は
家事ができない人ではないが
母親が体調を崩してから
理央さんが実家に戻るまでは
宅食サービスやお惣菜に
頼りっきりだった。
リミちゃん
「ママ！
リミがじゃがいも洗ったよ！
これで皮むいたよ！！」
リミちゃんがニコニコしながら
ピーラーを見せてくれる。
理央さん
「えー、すごいね！リミ！
っていうか、お父さんも
すごいね（笑）」
理央さんの父
「省太郎に教えてもらって
作り方、
ユーチューブってやつで見たんだ。」
省太郎くん
「じーじ、結構うまいんだよ。
だからママはほら
あっちで座って待ってて！！」
省太郎くんのその言い方が
とても頼もしかった。
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