登場人物
パンダ…ブログ主
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘（リミちゃん）と、
小学生の息子（省太郎くん）がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
父親は寡黙な人だが、理央さんを想っている。
一人姉がいる。
理央さんの父
娘と子供を心底心配し、愛している。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗（ミクちゃんママ）
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。
早苗のご主人（浩輔さん）
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
最近息子（お兄ちゃん）に、夫婦で話していることを
聞かれてしまった。
お義父さんとの電話を切って
ご主人はしばらく、
ベランダの外を眺めながら
放心状態になっていた。
ふと、今早苗の母親は
どうしているのだろうと
頭をよぎったが、そんなこと考えても
仕方がない。
部屋の中に目をやると
お兄ちゃんが心配そうな顔で
こちらを見ていたので
ご主人は部屋に戻って
もう一度子供たちを抱きしめた。
◆
次の日、ご主人と子供たちは
都内の遊園地に出かけた。
ミクちゃんとお兄ちゃんが
子供らしい笑顔ではしゃいでいる。
この先この子たちにはまだ
ちゃんと子供でいて欲しい。
昨日親子で話し合えたとはいえ
お兄ちゃんは昨夜また
おねしょをしてしまった。
お兄ちゃんの心の傷の深さが
どれくらいなのか分からないが
しっかり
向き合っていかなければいけない。
◆
その日の夜。
子供たちが寝静まった後に
ご主人は自分の両親と
向かい合った。
これまでのことはある程度
母親に話していたが
父親も含めて面と向かって
きちんと話すのは、初めてだった。
最初は、石川という70代の男のことは
伏せようと思っていた。
だって石川は、自分の父親よりも
年上なのだ。
けれどこの先両親には
色々と協力してもらう中で
隠しておくことは得策じゃない。
ご主人の父親
「早苗さんがそんなこと・・・」
両親は絶句していた。
ここでは何度も書いているが
早苗は家のことは、
ある程度きちんと出来る。
それは幼い頃から
父親と二人暮らしだったので
家事や炊事が日常で
生きてく上では当たり前で
人当たりも悪くなかった。
結婚が決まった時
ご主人のご両親は、
高校教師のお父さんと
二人三脚をしながら
厳しく育ててもらった
逞しいお嬢さんという風に
うつっていたようだが
そのイメージがこれまで
全く崩れなかったのは
ご主人がずっと早苗のことを
悪く言ってこなかったからだろう。
ご主人の父親
「そんなことなら、浩輔がここまで
ボロボロになる前に、もっと早く
相談して欲しかったが・・・
お前は昔から、、自分が辛いことは
話さないからな・・」
ご主人の母親
「だけどこんな・・・
わたしはもう、お兄ちゃんが
可哀想で可哀想で・・・
信じられない・・」
早苗の夫
「うん・・俺だってまだ…どこか
頭の中にずっと
霧がかかってるみたいになってて、、
でも子供たちのためには
そうも言ってられないから・・」
ご主人の母親
「そうだけど・・・
・・・・浩輔、今日はもう
話はいいわよ。
これから先に一緒に住み始めたら
色々出来るんだから
今日はとにかくたっぷり寝なさい。
親は体が資本よ。」
◆
子供達が眠る部屋に行き
2人の間に挟まって横になったら
母親があらかじめ床に敷いてくれていた
ふかふかの布団から、太陽の匂いがして
ご主人はまた、泣けてきた。
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