登場人物
パンダ…ブログ主
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘(リミちゃん)と、
小学生の息子(省太郎くん)がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
父親は寡黙な人だが、理央さんを想っている。
一人姉がいる。
理央さんの父
娘と子供を心底心配し、愛している。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗(ミクちゃんママ)
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。
早苗のご主人(浩輔さん)
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
最近息子(お兄ちゃん)に、夫婦で話していることを
聞かれてしまった。
子供たちに、
本当のことを打ち明けようと
心を決めたご主人。
早苗の夫
「よし・・よし・・・」
自分で自分を勇気付ける。
不安だけれど、言うしかない。
でも、これは
親のエゴじゃないのか?
話してしまって、娘が必要以上に
傷ついたり、ママを恋しがったら?
パパのことを
恨んでしまったりしたら?
一瞬でいろんな気持ちが
不安が、
一気に頭の中を駆け巡る。
それでも話すしかない。
今日だけじゃなくて、
わかってくれるまで
これから何度でも。
◆
リビングに行くと、
お兄ちゃんとミクちゃんが
2人並んで真剣に、
YouTubeを見ている。
早苗の夫
「お兄ちゃん、ミク・・
あのさ、ご飯の前に
パパから2人に
話したいことがあるんだ。」
ミクちゃん「なーにー」
目線はYouTubeにあるまま
ミクちゃんが返事をする。
早苗の夫
「ミク……大事な話だから、
それは消してくれないか。」
ミクちゃん
「えー・・うーん。」
お兄ちゃん
「ミク。パパの言うこと聞いて。
後からまた、
にーにと一緒にみよう。」
お兄ちゃんは何の話か
察しているように見えた。
ミクちゃん
「パパ、なぁに?」
早苗の夫
「あのな・・
ママのことなんだけど…」
ミクちゃん「うん。」
大きくて綺麗なその目に見つめられると
今から伝えたいこと全て
引っ込めてしまいそうになる。
けれどお兄ちゃんの顔を見て
ご主人は小さく頷く。
早苗の夫
「パパはね・・ママのことで
どうしても、
許せないことがあって・・・」
ミクちゃん
「えっ?パパとママ、
喧嘩してるの?」
早苗の夫
「そうだな・・喧嘩・・
…だったら、ごめんなさいでも
許せることがあると思うけど
ママは、パパがどうしても
許せないことをしちゃったんだよ。」
勢いで話し始めてしまって
どんな言葉が適切なのか
急にわからなくなってきてしまう。
そこに
お兄ちゃん
「…お兄ちゃんも、、
許せない・・・」
ミク
「えっ、にーにも?どうして?
早く仲直りしてよー」
お兄ちゃん
「そんなの無理だよ・・」
お兄ちゃんが話し始めて
ミクちゃんが困った顔をする。
そこでご主人は、
ミクちゃんを抱きあげて
膝に乗せる。
早苗の夫
「ミク・・パパさ、ちょっとミクには
難しい話をするけど、
聞いてくれる?
パパ、悩んでいることがあって・・
ミクに
相談したいことがあるんだ。」
ミクちゃん
「うーん、それは、
聞いてみないと
こたえられるかわかんないなー。」
最近少し、
オマセな話し方をするミクちゃんが
ご主人のほっぺを
ギューっとつねって
それがまるで、
難しい顔をしているご主人を
なんとか笑わせようと
してくれているようだった。
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