登場人物
パンダ…ブログ主
山田壱子ちゃん
理央さんのママ友。
苺ちゃん
壱子さんと翔くんの娘。
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘（リミちゃん）と、
小学生の息子（省太郎くん）がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
父親は寡黙な人だが、理央さんを想っている。
一人姉がいる。
理央さんの父
娘と子供を心底心配し、愛している。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗（ミクちゃんママ）
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。
早苗のご主人（浩輔さん）
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
最近息子（お兄ちゃん）に、夫婦で話していることを
聞かれてしまった。
震えるお義母さんの声を聞きながら
理央さんはなんとも
複雑な気持ちになっていた。
もちろん
悪いことをしたのは省吾で
お義母さんが実家に連絡をしないように
いらぬことを言ったのも省吾だろう。
けれどそれでもお義母さんは
省吾の不倫がわかってから
もう何度も私（理央さん）と
会ってきたじゃないか。
その間に
「お父さんと会いたい、
謝りたい」などという言葉は
一切出てきたことがない。
だからこの謝罪に関しては
取り繕っているような
上辺の言葉のような、、
そんな風に聞こえてしまう。
理央さんの父
「ひとまず、、、
お電話より一度
会ってお話がしたいんですよ。
今、省吾くんからも
色々聞いてはいるんですが
なかなか私には、、
理解し難い話も多くて、、
合わせてご両親の気持ちも
伺ってみたいものでしてね。」
省吾の母
「はい、わかりました。
お忙しいのに、
申し訳ありません、、」
理央さんの父
「じゃあ日程はあとでまた、
彼の方に伝えますので。」
理央さんの父親はそう言って
手短に話を終わらせて電話を切った。
省吾「……」
理央さんの父「……」
省吾
「あの、、申し訳ありません・・」
理央さんの父
「いや、もう今日は大丈夫だ。
あとは理央から、
もう少し詳しく聞いておくから。
ご両親と会う日程だけど
わたしは来週の日曜日でも
午後からなら時間を作れるから
省吾くんは？」
省吾
「だっ、大丈夫です。」
理央さんの父
「そうか、じゃあご両親にも
聞いておいてくれないか。」
省吾「…はい・・」
それから省吾と理央さんの父親は
２・３言だけ交わし、
省吾は帰って行った。
◆
省吾が帰って、
シーンとなった部屋で二人、
しばらく黙って向かい合う。
理央さんの父
「…理央・・」
理央さん
「・・はい・・・」
理央さんの父
「…父さんには、、
言いづらかったか？」
理央さん「……」
言葉が浮かばず、
黙り込んでしまう。
理央さんの父「……。」
理央さん「……」
理央さんの父
「母さんのことで、
…父さんにこれ以上
心配かけたくないって
思ってたんだろう？」
理央さん「……」
理央さんは唇をギュッと結んで
やっぱり黙っている。
声を発したら、涙が出そうだからだ。
けれど
理央さんの父
「理央・・
辛かったな・・・
今だって、辛いよな。」
理央さん「・・・・・・・」
理央さんの父
「理央、一人で頑張るな。
お前が辛いのは、
父さんだって辛いぞ。
だから、
帰っておいで。」
理央さん
「う・・うぅぅぅ・・・
うわぁぁぁぁ！！！」
理央さんは父親の前で
声を上げて泣いた。
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