登場人物
パンダ…ブログ主
山田壱子ちゃん
理央さんのママ友。
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘（リミちゃん）と、
小学生の息子（省太郎くん）がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗（ミクちゃんママ）
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。
早苗のご主人（浩輔さん）
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
最近息子（お兄ちゃん）に、夫婦で話していることを
聞かれてしまった。
さほど口数の多くない父親。
それでも理央さんが心配だと
たくさん話しかけてくれる。
理央さん
「もしかしたら私、、
離婚、するかもしれないから、、」
父親は声を出さず、水を一口飲んで、
コクリと頷いていた。
理央さんの父
「……理央が痩せてるのは
そのことが原因なのか・・？
理央が辛い思いをして、、
別れるのか？」
理央さん「……」
理央さんはまだ俯いて
小骨をとっている。
しかし、、
理央さん「……」
その肩が震えていた。
理央さんの父
「……理央・・」
理央さんの瞳から
涙がぼたぼた溢れてきて
お父さんはしばらく黙って
所在なさげに、天ぷら定食を食べる。
理央さん
「……お父さん、、
ごめんなさい、、、」
理央さんの父
「なんで謝るんだ・・」
理央さん
「それは、、だって結婚式で
あんなにみんなに
お祝いしてもらったのに、、
結局は、うまくいかなくて・・」
理央さんの父
「・・うまくいかないことなんて
誰にでもあるだろう。
お祝いしてもらったからって
誰に謝る必要があるんだ。」
理央さん
「そうだけど。。。」
それからまたしばらく
二人の間に沈黙が流れて
理央さんはやっと焼き魚を
パクリと食べてみせる。
理央さんの父
「子供たち連れて、
うちに帰ってくるか？」
理央さんは、首を横に振る。
理央さん
「…いつか、、
お世話になるかもしれないけど
まだ、大丈夫・・」
理央さんの父
「・・そうか・・」
それから理央さんが食べている間
無理にそれ以上は
聞いて来なかったが
なんとか頑張って、
ゆっくりと全部食べおわると
理央さんの父
「さっきの質問。。」
理央さん
「ん。。」
理央さんの父
「・・理央が辛い思いして
別れるのかって質問、、
どうなんだ。
ちゃんと隠さずに、話してくれ。」
理央さん
「……それは、、
辛いよ・・
離婚することが辛いんじゃない。
……子供たちが、
これから傷ついてしまうこと。
それが一番辛い。」
理央さんはそれから
省吾の浮気について、
早苗のことについて、
なるべく重い雰囲気にならないように
自分が泣かないために
簡潔に伝えた。
父親は絶句したり驚いたりしながら
最後まで話を聞いてくれた。
そして
理央さんの父
「……なんでそんなこと、、
今までずっと父さんに
隠してたんだよ。」
理央さん
「それは・・そんなの、
言いたくないよ、、
隠してたんじゃなくて、
言えなかったから・・」
理央さんの父
「だけど、、、
なんだよこの話、、
相当酷いじゃないか。。
それにあちらのご両親は知ってたのに
父さんが知らないって、、
ずっと隠してたら父さん、
お前たちのために何も
してやれなかったじゃないか。」
理央さん
「何も・・しなくても良いの。
結局自分で解決しないと
いけないことなんだから。」
理央さんの父
「いや、それでも、、」
父親は水を一口飲んで、
理央さんの方をじっと見つめる。
理央さんの父
「理央、あいつ（省吾）のこと
１回連れてこい。
このままじゃあ、
許せない」
静かな父親が、こんなこと言うなんて
理央さんは、夢にも思わなかった。
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