登場人物

パンダ…ブログ主

 

山田壱子ちゃん

理央さんのママ友。

 

大原理央さん

壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘(リミちゃん)と、
小学生の息子(省太郎くん)がいる。

夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と

不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。

 

大原省吾

理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が

家族にバレたが、再構築を希望している。

 

省吾の母と父

理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。

理央さんの味方になってくれるが

義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。

 

早苗(ミクちゃんママ)

省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで

働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。

実の父親は体育教師。父のことが怖い。

最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。

 

早苗のご主人(浩輔さん)

不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。

最近息子(お兄ちゃん)に、夫婦で話していることを

聞かれてしまった。

 

 

 

 

負担かけてごめん。

 

 

 

その一言が、

理央さんをイライラさせる。

 

 

まだ借金も不倫もわかる前の

何も知らない時代なら

この言葉はありがたい。

 

でも状況が変わると、

同じ言葉でもトゲを持つ。

 

 

 

理央さんLINE

「どういうことが

 私の負担になってると思ってる?

 言葉で説明して。」

 

 

 

5分くらいかかって、

返信が来る。

 

 

 

 

省吾LINE

「一人で子育てしながら、、

 子供たちからの説明とか、、

 そういうのに、、、

 答えないといけないところ、、」

 

 

 

理央さんは、10秒で返す。

 

 

理央さんのLINE

「あとは?」

 

 

 

また、5分くらい経過する。

 

 

 

省吾LINE

「あとは。。あと。。

 

 

 理央のお母さんのこととか、、」

 

 

 

 

理央さんLINE

「ごめんと思うなら、

 言葉じゃなくて

 行動で示して欲しいんだけど

 あなたは何を行動してるの?」

 

 

 

省吾LINE

「それはとにかく・・

 

 これから頑張って働くから

 先にお金をなんとかする・・」

 

 

 

理央さんLINE

「はい?借金も慰謝料も

 元々なかったものよね。

 あなたが勝手に一人で

 やったことなのに、

 

 どうして私と子供たちがそれで

 負担が増えるわけ?

 

 あなたが今仕事を頑張るのは、

 早苗さんへのお金を返すことと

 不倫の慰謝料を払うためでしょ?

 

 何回この話するの?

 

 他に新しい提案はないの?」

 

 

 

返信しながら、

自分こそ深夜にこんな風に

省吾を相手にしている場合ではない、

と思い直す。

 

こんなことの繰り返し。

 

 

 

 

省吾LINE

「新しい提案、、

 考えついたらまた、、

 連絡するから・・

 

 ごめん、最近俺も色々考えすぎて

 夜も眠れないし、食欲もなくて・・

 

 でも仕事頑張らないと

 倒れたら意味ないから・・」

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

夜も眠れなくて

食欲もないのはこっちですが?

 

 

 

前の話し合いでも、

笑わずに生きていくとか、

 

十字架を背負って生きていくとか

 

 

やっぱりこの男はずっと

被害者ヅラするんだな。

 

 

理央さんはソファーに携帯を投げて

パソコンを開いた。

 

 

理央さんはもうすでにいくつか

隙間時間に出来る在宅ワークを

引き受けていた。

 

 

考えたり悩んでいるだけでは

前には進まない。

 

こうしている間にも、

子供たちは成長するし、

親も自分も歳を取るし、

けれど、生きていかなければいけない。

 

 

この状況に不満を言っても

苦しくても、

お金は湧いてこないのだ。

 

 

 

理央さん

「……よし、がんばれ私。」

 

 

 

理央さんは気合を入れて、

その日も深夜遅くまで

仕事を続けて、朝は笑顔で

子供たちを起こした。

 

 

 

 

 

 

 

子供たちを見送ったあと、

理央さんは母親の

施設入居手続きのためにまた

父親に会っていた。

 

 

 

これまで理央さんは父親に

あまり自分のことを

話してこなかった。

 

 

もちろん孫たちのことは

会うたびに聞かれるし

時々会わせてもいるが、

当たり障りのない話をして

負担をかけたくなかったし

 

何よりこんな時に、

 

悲しませたくはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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