登場人物
パンダ…ブログ主
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘(リミちゃん)と、
小学生の息子(省太郎くん)がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗(ミクちゃんママ)
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。
早苗のご主人(浩輔さん)
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
最近息子(お兄ちゃん)に、夫婦で話していることを
聞かれてしまった。
早苗がラウンジで働いていたことを
ご主人は、お義父さんに謝られたが
本当にそれは
複雑で、苦しかった。
一番悪いのは、
間違いなく早苗なのに。
早苗の夫電話
「ミクにも今後
ちゃんと離婚することを
話そうとは思ってますが
どう話すのかは今後の
子供たちの様子をちゃんと見ながら
伝えていくつもりです。」
早苗の父電話
「そうか、、辛い役をさせて
すまないな、、
どちらにしても、
今のバイト(ラウンジ)のことは
わたしが気になるから、、
いつか近いうちに聞くよ。
子供がそういうところで働いて
心から嬉しい親は
そんなにいないからな。」
早苗の夫電話
「…それは、そうですね。」
それから二人は、
電話を切った。
こんな風にお義父さんと
心を打ち明け会える日が来るなんて
夢にも思っていなかったが
そのきっかけがこんなことなので
嬉しいわけじゃない。
ご主人はため息を1つついて
ベランダのドアを開ける。
その瞬間にお兄ちゃんが
うどんを口に運んだ。
ご主人は見ないふりして
自分の席に座り、
冷めたうどんを食べた。
その日の深夜
眠っているご主人の身体を
誰かに揺さぶられた。
早苗の夫
「・・・・ん・・・」
目を開けたら
悲しい顔をしたお兄ちゃんが
ご主人を揺り起こしていた。
早苗の夫
「んん・・お兄ちゃん、、?」
部屋に置いてある時計に目をやると
まだ朝の4時だった。
早苗の夫
「どうした?
怖い夢でも見たのか?」
ミクちゃんが起きないように
囁くように声を出す。
お兄ちゃん
「違う・・ごめんなさい・・」
ご主人はまだ
頭がぼんやりしていたが
目をしっかり開けるとお兄ちゃんが、
履いているズボンを
ぎゅーと握っていた。
あぁ、、
よく見ると、
ズボンもシーツも濡れていた。
マットレスの方にも
軽くだが、染みているようだ。
早苗の夫
「・・なるほどな・・」
お兄ちゃん
「パパ、ごめんなさい・・」
ご主人は思わず、
お兄ちゃんを抱きしめていた。
早苗の夫
「なんで謝るんだよ。
こんなの、
洗えばいいだけじゃん。」
お兄ちゃん「うぅ・・・」
ご主人の肩で、
堪えるように泣くお兄ちゃんの頭を
優しく撫で続ける。
お兄ちゃんは小さい頃から
ほとんどおねしょをしたことがない。
だからとても
ショックだったんだろう。
(やっぱり、お兄ちゃんの心に
何かが起きてる。)
ご主人はしばらく
お兄ちゃんを抱きしめ続けた。
早苗の夫
「一人でお風呂に行って
身体洗ってきたり
ズボンを替えてこれるか?
パパはその間に
シーツを替えたりして
綺麗にしておくから。」
泣き止んだお兄ちゃんが
黙ってうなずくと
一旦その場でズボンを脱いで
たれないように上手に抱えて
お風呂場のほうに向かった。
早苗の夫
(それにしても、、、、
おねしょが
染み込んだマットレスって・・・
どうやって、、
綺麗にするんだろう・・・)
心の中でそう思いながら
ご主人もまた、涙が出てきた。
隣ではミクちゃんが
スヤスヤと寝息を立てていた。
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