登場人物

パンダ…ブログ主

 

大原理央さん

壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘(リミちゃん)と、
小学生の息子(省太郎くん)がいる。

夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と

不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。

 

大原省吾

理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が

家族にバレたが、再構築を希望している。

 

省吾の母と父

理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。

理央さんの味方になってくれるが

義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。

 

早苗(ミクちゃんママ)

省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで

働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。

実の父親は体育教師。父のことが怖い。

最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。

 

早苗のご主人(浩輔さん)

不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。

最近息子(お兄ちゃん)に、夫婦で話していることを

聞かれてしまった。

 

 

 

 

早苗の父親は、まだ早苗が

ラウンジで働いていたことを知り

かなり怒っていたようだが

 

ご主人はもうそんなことは

どうでもいいとさえ

思い始めていた。

 

 

 

 

早苗の夫電話

「早苗とどんなに話しても

 人の言うことなんて

 聞いてないじゃないですか…

 

 お義父さんには

 申し訳ないですけど…

 

 もう僕には早苗のこと

 どうしようも出来ないので

 とにかくもう今後は

 子供たちにも

 会わせないつもりです。」

 

 

 

話している間、

 

窓越しにお兄ちゃんが

ぼんやりしているのが見えて

早苗のご主人はそれが

気に掛かっていた。

 

 

 

 

早苗の父電話

「…そこは・・・

 子供たちのためには

 そうなのかもな・・・

 

 

 浩輔・・・子供たちには

 早苗のこと、、話すのか?」

 

 

 

 

早苗の夫

「…わかりませんけど、、

 

 お兄ちゃんの方はたぶん 

 むしろ僕に隠してるというか

 知ってて言わないだけのことが

 あるみたいで・・・

 

 でも話したくないって

 本人が言ってて・・

 それがすごく気になってます。」

 

 

 

 

早苗の父

「…そうか、、、

 ・・・浩輔、すまない。」

 

 

 

 

謝られても、苦しいだけだ。

 

 

 

奥さんに裏切られたという

同じ気持ちを持つもの同士。

 

それからきっとお義父さんには

抱えきれない悲しみと

苦労があったに違いない。

 

 

男で1つで、教師をしながら

厳しく育ててきたつもりだっただろう。

 

けれどその一人娘は、

母親に似てしまった。

 

 

 

早苗の夫電話

「あの・・でも、、

 

 お義父さんは時々、、

 

 子供たちに、

 会ってやってください・・」

 

 

 

 

口から自然に、

その言葉が出ていた。

 

 

妻に、娘に裏切られ

この先きっと一人で生きていく

お義父さんを想像すると

胸がギュッと掴まれるような

そんな気持ちになったからだ。

 

 

 

早苗の父電話

「…今まで、、、浩輔にも

 子供たちにも、、

 何もしてやれなかったのに・・

 すまない・・・

 

 

 俺がもっと浩輔みたいに、、

 子供に素直に、、、

 愛情を注げてたら、

 

 もっと早苗も、、

 違ってたんだろうかな。」

 

 

 

 

早苗の夫

「……それは、、」

 

 

 

 

それは、わからない。

 

 

お義父さんだってきっと

お義父さんなりの愛情を

早苗に注いで生きてきたはずだ。

 

 

けれど確かに、早苗に出会った頃

早苗はいつも、愛情に飢えていた。

 

だから自分(ご主人)に

依存するような形で

愛情を欲しがった。

 

 

恋愛中はそれが可愛くて、

守ってあげたいと思っていたが

 

早苗が欲しかった愛情は

相手がご主人だから良かったとか

そういうことじゃなくて

常に全力で、24時間四六時中

自分だけに愛を注いでくれる人を

探していただけなのだ。

 

 

 

ずっとそばにいて、

抱きしめるだけが

愛じゃないのに。

 

 

 

離れていても、触れていなくても

愛はちゃんと

そこにあったのに。

 

 

 

 

 

 

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