登場人物
パンダ…ブログ主
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘（リミちゃん）と、
小学生の息子（省太郎くん）がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗（ミクちゃんママ）
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。
早苗のご主人（浩輔さん）
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
最近息子（お兄ちゃん）に、夫婦で話していることを
聞かれてしまった。
早苗のご主人の家でも、
子供たちは
クリスマスについての話題を
口にし始めていた。
ミクちゃん
「ねぇパパ、サンタさんに
おてがみ書いていい？」
朝食を食べながら
ミクちゃんが無邪気に笑う。
早苗の夫
「あぁ、うん、もちろんだよ。
もう書くことは
決まってるのか？」
ミクちゃん「うん！」
早苗の夫
「へぇ、なんて書くの？」
ミクちゃん
「それはナイショだよー」
早苗の夫
「そっかぁ、残念だなー」
お兄ちゃんは？
と聞こうと思ったが、
お兄ちゃんはちょうど
サンタさんの存在について
微妙な年頃で、
ミクちゃんの前ではきっと
答えられないと思って
ご主人はあえて、
あとで聞こうと思って
質問するのをやめた。
今年のクリスマスは
早苗は一緒に過ごさない。
そのことは、
まだ子供たちは知らない。
ご主人はそれをいうタイミングを
どうしようかと考えている。
◆
その日の夜、
ミクちゃんはリビングに
画用紙と折り紙を用意して
そこに色鉛筆とクレヨンを並べて
なにやら始めている。
早苗の夫
「もしかしてこれから
サンタさんにお手紙書くのか？」
ミクちゃん
「そーだよー。だからパパは
見ないでね！」
ご主人はミクちゃんに
その場から
押し出されるようにして
キッチンに向かった。
早苗の夫
（ミクは、なんて書く
つもりなんだろう・・）
そんなことを思いながら
夕飯の用意をしようとしていると
対面キッチンの向かい側で
宿題をしているお兄ちゃんが
ご主人に話しかけた。
お兄ちゃん
「パパ、、多分だけど、
ミクはサンタさんに
（ママと一緒に
遊べますように）とか
（暮らせますように）って
書くと思うよ。」
早苗の夫
「えっ・・・
……それは、、
なんでそう思うんだ？」
お兄ちゃん
「。。最近よく言うから。」
お兄ちゃんはそれだけ言うと
下を向いて宿題をし始めた。
早苗の夫「……」
どうしたらいいんだろう。
ミクちゃんの
サンタさんへの願いは
これまで全て叶ってきた。
ディズニーランドに行きたい
可愛いふでばこが欲しい
プリンセスになりたい
だけど、
今回だけは、
叶えてあげられない。
キッチンから見えるのは
嬉しそうに折り紙を折っている
ミクちゃんの顔
まだ、なにも書いてなさそうだ。
ご主人は切羽詰まってしまって
ついミクちゃんの方に
声をかけに行く。
そして
早苗の夫
「ミク・・あのさ、、」
ミクちゃん
「あー、もう。
パパは来ちゃダメだって
言ったでしょー」
早苗の夫
「あぁ、うん、そうだね。
その前に1つ、
ちょっといいかな。」
ミクちゃん「なぁに？」
早苗の夫
「今年のクリスマスイブにさ
３人でどこか行こうか。
パパもお休みの日だから。」
ミクちゃん
「えっ？３人で？
ママは？ママはいかないの？」
早苗の夫
「うん、ママは行けないんだ。」
ミクちゃん
「なんで？ママも行こうよ！
ミクがサンタさんに
お願いしてあげるから！」
やっぱりミクちゃんは、
ママに会いたいと
サンタさんに願おうとしていた。
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