登場人物
パンダ…ブログ主
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘(リミちゃん)と、
小学生の息子(省太郎くん)がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗(ミクちゃんママ)
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。
早苗のご主人(浩輔さん)
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
最近息子(お兄ちゃん)に、夫婦で話していることを
聞かれてしまった。
省吾
「・・・・ただいま」
理央さんはこの一言にさえ、
違和感を感じていた。
確かにまだここは、
省吾の自宅でもある。
別居も離婚も、
何にも決めていない。
以前なら当たり前の言葉。
「ただいま」と「おかえり」
この言葉は、
心を繋げたもの同士の中でしか
成立するのは
難しいのかもしれない。
事実理央さんは、
「おかえり」と言えなかった。
省吾
「、、、今日、、、
ありがとう。話し合いの時間、、
取ってくれて、、」
リビングに入るなり
そう呟く省吾の顔も、
やつれていた。
可哀想だとは思わない。
むしろなんであなたが、
そんな被害者ヅラしてるのとすら
理央さんは思っていた。
理央さん
「…子供達のために、
今後のこと、、具体的に
話しておかなきゃいけないから。」
省吾
「あぁ、そうだよな。」
二人の間にしばらく
沈黙がある。
省吾
「…理央はやっぱり、、
離婚したい、、ん、だよな。」
理央さん
「…それは、うん、、
そうだね。」
省吾
「、、、、もうなんとも
ならないのか、、」
今、それを話そうとしているが、
省吾の顔を見ていたら、
離婚は保留にしようとか
言えなくなってくる。
喜ばせてしまいそうな、
調子に乗らせてしまいそうな
そんな気がしてしまうのだ。
許されたとは、
絶対に思われたくない。
理央さん
「なんとかって、
あなたは自分のしてきたこと、
謝ればなんとかなると
思ってるの?
浮気に大小はないと思うけど、
あなたのやってきたことは、
ちょっとやそっとのことじゃない。」
省吾
「…わかってる、、、
だから、過去を反省して、、
これから、、」
理央さん
「あなたは!!
反省したとか言えば
済む話なんでしょうけど、
そのあなたの過去、たった一撃で、
立ち直れないくらいの
ダメージを受けた私は!
どうしたらいいわけ?!
あなたは私に、
過去の過ちはもう反省するから
前を向いていけというの?!」
省吾
「、、、それは、、」
理央さん
「わかってる、わかってるわよ!
そうするしかないって。
こっちが頑張らないと
この気持ちは
もうどうしようもないって!
だけどあなたに私の過去まで
壊す資格あった?
子供達は、、
あの子たち・・うぅ、、、」
言いながら、
わけがわからなくなる。
今ここへきて、
省吾の過去を攻めても、
状況は良くならない。
だけどもしじゃあ今、
どうすればいいのかと聞かれたって
過去のこと全部なしにして
やらかす前の状態に
リセットしてくれる以外
どうにもならないし、
そんなことは無理だ。
わかってる。
全部わかってるよ。
でも、頭おかしいのは私なの?
ぐちゃぐちゃなのは、
私のせいなの?
再構築なんて、
私には無理だ。
そんな話し合い、無理だ、、
理央さんは
省吾の顔を見てたった3分で
もう感情が抑えられなかった。
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