登場人物

パンダ…ブログ主

 

大原理央さん

壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘(リミちゃん)と、
小学生の息子(省太郎くん)がいる。

夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と

不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。

 

大原省吾

理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が

家族にバレたが、再構築を希望している。

 

省吾の母と父

理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。

理央さんの味方になってくれるが

義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。

 

早苗(ミクちゃんママ)

省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで

働いていたことがわかるなど、浮気相手は一人ではない。

実の父親は体育教師。父のことが怖い。

最近、ミクちゃんだけを引き取りたいと言い出した。

 

早苗のご主人(浩輔さん)

不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。

最近息子(お兄ちゃん)に、夫婦で話していることを

聞かれてしまった。

 

 

 

 

 

パパに抱きしめられて、

泣きじゃくるお兄ちゃん。

 

まだ、

10年足らずしか生きていない。

 

けれど、

大人が話していることを

十分理解できる年齢でもある。

 

 

だからこそ、

心に負わせてしまった傷は

あまりにも大きすぎる。

 

 

 

早苗の父

「ごめん、、ごめんな、、

 

 昨日からずっと、、今朝も、

 ずっとそのこと

 考えてたんだな・・」

 

 

 

お兄ちゃん

「…うぅ・・うぅっ・・」

 

 

 

早苗の夫

「不安で怖かったよな・・

 

 学校行ってても

 辛かったよな・・

 

 パパが、朝のお兄ちゃんの顔色に

 もっとちゃんと

 気づいてやればよかった、、

 

 ごめんな、ごめんな・・

 うぅ・・」

 

 

 

自分はなんてことを

してしまったんだろう。

 

 

自分が苦しいよりも、

もっと苦しい。

 

 

こんなの、苦しい・・

 

 

 

 

お兄ちゃん

「パパが謝らないで・・

 うぅう・・」

 

 

 

 

どうして、早苗と

結婚してしまったんだろう。

 

 

だけど早苗に出会わなければ

この大切な息子に、娘に

出会えることはなかったのに

 

大人のせいで、

傷つけてしまった。

 

 

 

これからこの子は

どうなってしまうだろう。

 

 

どうやってケアをしていけば

いいんだろう。

 

 

自分が強くならないといけないと

十分わかっているのに

ご主人は、今はただただ、

涙だけが溢れてくる。

 

 

 

その時

 

 

 

 

お兄ちゃん

「僕は・・・

 

ママには会わない・・

 

 うぅ・・」

 

 

 

 

早苗の夫

「えっ・・」

 

 

泣き声が、

呻き声のように聞こえる。

 

 

 

 

早苗の夫

「いや、、でもお兄ちゃん・・

 

 ママはママだから、

 いいんだよ。会っても、、」

 

 

 

 

ご主人の言葉に、

お兄ちゃんが苦しいほどに

すがりつくように、

ご主人の首にギュッとしがみつく。

 

 

 

 

お兄ちゃん

「…会わないよ・・うぅ・・

 

 だってママだって、、

 

 僕、いらないでしょ!

 

 

 ミクだけで、いいんでしょっ!!」

 

 

 

 

早苗の夫「!!!!」

 

 

 

 

ご主人は咄嗟に、

パッと身体を引き離し、

お兄ちゃんの目を見つめる。

 

 

 

 

 

早苗の夫

そんなわけない!!

 

 そんなわけないから!

 

 お兄ちゃんは必要!!

 

 ママは、今病気なんだ!!

 言わなくてもいいことや

 思ってないことを

 言ってしまう病気!!」

 

 

 

 

お兄ちゃん

「でも・・うぅぅぅぅ・・」

 

 

 

 

早苗の夫

「いらない子なんか

 いない!

 

 パパはお兄ちゃんがいないと

 生きていけないんだぞ!!」

 

 

 

二人とももうこの時は

泣きじゃくりながら話している。

 

 

 

 

早苗の夫

お前のことが、大事で大事で

 可愛くて可愛くて、

 仕方ないんだから!!

 

 ママだって本当はそうなのに!

 病気のせいだから!!」

 

 

 

 

二人はしばらく、

抱き合ってわんわん泣いた。

 

 

 

ご主人にとって、

 

愛しくて愛しくて、

世界一大切な息子。

 

 

 

この時の息子の涙ほど

堪えた涙はなかった。

 

 

 

 

 

お兄ちゃんは昨夜、

ほとんど眠ってなかったのだろう。

 

 

泣くだけ泣いて、

少し落ち着いたと思ったら

ほんの数分で、ご主人の胸の中で

眠ってしまった。

 

 

 

 

 

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