登場人物
パンダ…ブログ主
大原理央さん
壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘と、小学生の息子がいる。
夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と
不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。
大原省吾
理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が
家族にバレたが、再構築を希望している。
省吾の母と父
理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。
理央さんの味方になってくれるが
義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。
早苗(ミクちゃんママ)
省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで
働いていたことがわかり、ご高齢の太客(石川さん)もいる。
実の父親は体育教師。父のことが怖い。
早苗のご主人(浩輔さん)
不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。
現在病院に運ばれ入院中。
早苗のご主人の話では
早苗は子供たちの前だけでは
普通の母親として
家事や育児をやっている。
と、聞いている。
ミクちゃんもママのことが
好きなように見える。
けれど小学生のお兄ちゃんは
ママの話に無関心なのか
年齢的なものなのか
本当は何か知っていたり
勘付いていることがあるのか
そこがわからない。
これ以上突っ込んで聞くのも
すごく不自然だし・・
理央さんはそう思って
あまり深くは質問しなかった。
◆
早苗
「2人とも、おかえりー!」
ミクちゃん
「ママー!!」
玄関の扉が開き、早苗が出てくると
ミクちゃんが大喜びで
ママの胸に飛び込んだ。
早苗
「ミクー、楽しかった?」
ミクちゃん
「うん!!みんなで
ピザ食べたんだよ!
すっごい大きかったんだよ!」
お兄ちゃん「・・・・」
理央さん
「じゃあ、私はこれで・・」
お兄ちゃん「あっ」
理央さん「ん?」
お兄ちゃん
「ありがとうございました。
また、行ってもいいですか。」
理央さん
「うん、いつでもおいで。」
お兄ちゃんは少し笑って
早苗の方は見ずに、
部屋の中にスタスタと入っていった。
早苗
「あぁ…ありがとうございました。」
早苗より、お兄ちゃんの方が
目を見てしっかりと
お礼を言ってくれた。
理央さん
「……じゃあ、これで・・
ミクちゃん、バイバイ!」
ミクちゃん「バイバイ!」
◆
帰りの車の中、理央さんはやはり
お兄ちゃんの表情が
気になって仕方なかった。
(あの・・もしかしてお兄ちゃん
何か知ってますかね)
ご主人のLINEに
そこまで打ち込んだが
わざわざ入院しているときに
聞くのもどうかと思い、
やっぱり送るのをやめた。
その間に、実家の方から
連絡が入っていた。
◆
省吾の実家に戻り
理央さんはお義母さんと
ダイニングテーブルに
向かい合って座っていた。
理央さん
「……さっき、実家から連絡があって
・・やはり母のことは
施設に入れる方向で
検討して行くことになりそうです・・」
省吾の母
「……そうなのね・・・」
理央さん
「本人はまだ嫌がってるんですが
母が夜中に、、、
家を出ようとしたそうです。
一見、見た目は普通ですし
家にいたら自力で動けるので
鍵も開けられます。
家族や親類が交代で見てたとしても
夜中までそんな母を
ずっと見張るのは大変ですし
家族に対しての暴言、、
特に父親に対しては、
酷いものだそうです、、、
やはりこのままだと
家族が参ってしまうって・・・」
言いながら、涙が溢れる。
理央さん
「それを聞いて、私も
引き取るのは無理だって、、
思ってしまいました、、、
酷い娘です・・・
自分のことがいっぱいいっぱいで
・・実の母のことなのに、、
見ていられないって、
思っちゃって・・うぅ・・」
省吾の母
「そんなことない。
そんなことないのよ!
こんなときに、、
ごめんね、、うちの息子が
せめてあなたの
支えになるべきだったのに・・・」
お義母さんも一緒に、
ボロボロ泣いている。
省吾の母
「理央さん、今日はあなた
家に帰って1人で寝なさい。
週末にはまた省吾たちのことで
話し合いがあるのに・・
このままだと、
あなたが倒れてしまうから。
こうして私がまだ
孫たちのことを見ていられるうちに
お手伝いさせて。」
本当に本当に、ありがたくて
理央さんはまた、
涙が止まらなかった。