登場人物

パンダ…ブログ主

 

大原理央さん

壱子ちゃんのママ友。幼稚園に通う娘と、小学生の息子がいる。

夫の省吾が、幼稚園のママ友の早苗と

不倫をしていた。実母は若年性アルツハイマー。

 

大原省吾

理央さんの夫。ミクちゃんママとのW不倫が

家族にバレたが、再構築を希望している。

 

省吾の母と父

理央さんにとってはお義母さんとお義父さん。

理央さんの味方になってくれるが

義父さんは「離婚しないで欲しいと」言う。

 

早苗(ミクちゃんママ)

省吾と浮気していたが、夫に内緒で昼ラウンジで

働いていたことがわかり、ご高齢の太客(石川さん)もいる。

実の父親は体育教師。父のことが怖い。

 

早苗のご主人(浩輔さん)

不倫の事実を聞いて、早々に離婚を考えている。

 

 

 

 

 

まさかと、

嫌な予感がよぎった

朝の理央さんの胸騒ぎが

本当になってしまった。

 

 

 

理央さん

(ダメですよ、、こんなの・・

 ダメなんですよ・・

 

 私たちは、負けたら

 ダメなんですよ・・・)

 

 

 

 

病院の廊下で、

理央さんは両手を合わせながら

そう呟き続けた。

 

 

 

扉の向こうで今、ご主人は

ドクター達が懸命に

胃の中の洗浄を行なってくれている。

 

 

 

詳しいことはまだ、

全然わからない。

 

 

 

救急隊員の方が

命に別状はないと思うから

大丈夫だと言ってくれたことだけを

唯一のお守りに、

理央さんはただひたすらに、

祈っている。

 

 

 

 

 

 

それから

 

 

20分くらいが経過しただろうか。

 

 

 

息を切らした省吾が

走って近づいてきた。

 

 

 

 

省吾

「理央っ、、、

 

 

 大丈夫か、、」

 

 

 

 

 

理央さん

「わからないよ。

 ・・こんなっ。。。

 

 

 こんなのひどいよ!

 

 

 それで早苗は?いつくるの?」

 

 

 

 

 

省吾

「まだLINEが既読にならない。

 

 電話もかけてみてるけど

 繋がってない。

 とにかくLINEでは

 

(ご主人が救急車で運ばれたから

 すぐに連絡ください)

 

 って、入れてある。

 

 

 子供達のことは、

 父さんと母さんが見てる。

 

 今、こっちにきたら

 驚かせると思うから

 子供達には何も言わないで

 家で待機してもらってる。」

 

 

 

 

理央さん

「早苗さん・・早苗は

 

 ご主人が倒れたのを知る場所が

 あのホテルかもしれない、

 

 あのおじいさんの隣で

 聞くのかもしれない。

 

 

 ホントは今すぐ、ご主人は

 あんたのことを見た

 あなたのせいで!

 って言いたいよ1

 

 

 あぁ、、、、はは、、

 

 あなた今からあのホテルの前で

 2人が出てくるのを見張ってたら?

 

 こんな日に、

 ホテルにいましたって証拠

 撮影してきたら?」

 

 

 

 

 

頭が、ボーッとする。

 

 

省吾の顔の輪郭が

ゆらゆらしている。

 

 

 

 

 

省吾

「……理央が、、 

 撮ってこいっていうなら

 してくるよ・・

 

 

 とにかく理央も、

 一旦休んだ方がいい。

 

 顔色が悪すぎる。

 病院にお願いして、

 点滴でも打ってもらった方が・・」

 

 

 

 

理央さん

「・・顔色が・・?

 点滴・・・?

 

 

 ・・は、、、許せない・・

 

 

 最っっ低!

 

 早苗も、あなたも

 ご主人に尾行させてしまった

 私のこともっ!

 

 

 こんなに、追い込まれてた・・

 

 当たり前だよね。 

 

 

 だって!!

 

 奥さんがホテルって・・

 

 その光景を目で見て、

 その後のこと想像して・・

 

 こんな気が狂うようなこと・・

 

 どうして私、、、

 昨日のあんなご主人の姿見て

 1人にしちゃったんだろう。

 

 なんで・・・っ・・うぅ・・・」

 

 

 

 

理央さんの呼吸が

どんどん浅くなってくる。

 

 

 

 

 

省吾

「理央っ!」

 

 

 

倒れそうな理央さんを、

 

省吾が一旦座らせる。

 

 

 

 

省吾

「理央・・・自分のこと

 責めないでくれ・・

 

 本当にすまない・・

 こんな風になるなんて・・」

 

 

 

 

 

理央さん

「こんな風になるって

 

 思わなかったって?

 

 

 …あぁ・・そうだよね

 あなた達は、

    思わなかったよね・・

 

 

 だって、あんなことがあって

 朝、不安であなたを起こして

 それでもあなたは

 寝ることができたんだもんね・・

 

 

 早苗も電話に出ない。

 

 

 夜に、好き勝手なことしてる間に

 子供達に何かあったら

 連絡取れなくなってたら

    どうしようって

 そんなこともきっと、

 一度も思い浮かばない。

 

 あなた達は、

 親なんかじゃない!!」

 

 

 

 

壁の向こうで

医師達が必死に

命を助けてくれている側で

 

夫を罵っている自分が苦しい。

 

だけど、止められない。

 

 

 

 

理央さん

「ご主人や私の気持ちなんて

 あなた達には一生わからない!

 

 

 私だって

 ご主人と同じことしそうだった!

 

 

 そうやって、

 傷つけられた方はみんな

 ギリギリのところで生きてるの!

 

 

 あなた達がしているのは

 そういうことなの!!」

 

 

 

 

理央さんが叫んで

 

 

 

 

目の前の、扉が開いた。