登場人物

● 芽衣:今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。ジェシカとは仕事のパートナー。

 

●小林成美:5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。

 

● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。

 

●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されたが、それでも瑛太への気持ちが断ち切れない。

 

● 萌: 成美さんの友達だが、瑛太と不倫をしていた。ホームパーティーで、徐々に萌のことがわかってくる。

 

● ジェシカ:瑛太の上司で、芽衣の仕事のパートナー。結婚していて、日本人のご主人と暮らす自宅では、ホームパーティーを開くのが好き。

 

 

 

成美さんは、

私と二人きりになった席で

 

自分の気持ちをポツリポツリと

話し始めた。

 

 

 

 

成美さん

「本当は全然、

 冷静じゃなかったんです・・」

 

 

 

 

「成美さんの日記を読んでいると

 

 ちゃんとその状況を

 しっかり書いていたので・・

 すごいなって、

    思ってましたけど、、

 

 でも、、そうですよね。

 

 

 冷静なんかでは

 いられないですよね・・」

 

 

 

 

成美さんは、黙って頷く。

 

 

 

 

成美さん

「夫の浮気を知ってから、、

 

 なんか時々

 頭がおかしくなりそうで

 

 

 嫉妬とかそういうのじゃなくて

 

 

 

 怒り、、

 なんですけどね、多分。

 

 

 なんで私はここまで夫に

 生活も行動も制限されて

 

 夫は好き勝手なことばかり・・

 そう思ったらもう、

 

 許せないって言うか…」

 

 

 

 

「それは、当然ですよ。」

 

 

 

 

成美さん

「でも一番腹が立つのは

 自分になんです。

 

 そんなことされても

 夫が帰ってくると

 言いなりになってしまって

 出ていくことも出来ずに

 

 

 それで会社に連絡して

 全てを言ってやりたいって

 そう思ったりもしました。」

 

 

 

 

 

「でも、、実際に

 行動には

 移さなかったんですよね。」

 

 

 

 

 

成美さん

「それは、、

 やっぱり怖いからです。

 

 そんなことしても

 会社には関係ないって

 会社側からもし言われたら

 

 その後私は

 ただただ夫に責められて、、

 

 そんなことになったら

 この先生きていけないとさえ

 思ってしまって・・」

 

 

 

 

夫が怖い。

 

好きになって、

パートナーになった相手を

恐怖に感じる。

 

 

そんな日々が

どれほど辛かっただろう。

 

 

 

 

 

成美さん

「だから、私一人だったら

 今日みたいにこんな風に

 大勢の前で打ち明けるなんて

 想像もつかなかったので、

 

 ・・本当にありがたいですし

 

 

 …同時に少し

 

 この先の怖さも、

 

 まだあるんです。」

 

 

 

 

 

「それは瑛太さんにこの先

 何かされるとか

 そういう怖さですか・・」

 

 

 

 

成美さん

「そうです。

 

 

 今まで夫に何か

 手をあげられたとか

 そういうことはないんですけど

 

 

 …離婚するならこの先

 子供の親権のことだったり

 今後の生活のことだったり

 

 精神的な嫌がらせを

 企てると思うんです。

 

 

 夫は人の気持ちが

 本当にわからないので…」

 

 

 

 

「でもそこは、

 証拠もあるし、

 これだけ大勢の人が、」

 

 

 

 

成美さん

「…あ・・」

 

 

 

 

その時成美さんが

携帯の画面を見て、

 

フリーズした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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