流し目男くんは結婚前に

結婚相手と思う相手には

ブライダルチェックを

してもらうと言う。

 

 

しかし、自分はしなくても

大丈夫なのでと。

 

 

 

「僕は大丈夫って・・

 

 

 それは以前に

 一度検査されたことが

 あるということですか?」

 

 

 

 

 

流し目男くん

「ん?ないですよ?(にっこり)」

 

 

 

 

およ。

 

 

 

 

 

「……あれ、もしかして

 

 それってつまり

 流し目男くんは、

 

 …離婚歴があるとか・・

 もうお子さんが

 いらっしゃるとか??」

 

 

 

 

流し目男くん

「まさかー。もしそうなら

 こうしてお食事に誘う前に

 そういう過去は話しますよ。

 

 僕は戸籍も真っ白ですし

 子供がいたことも

 妊娠させたことないですから

 安心してください。」

 

 

 

 

いや・・じゃあ尚更

その自信満々の大丈夫って

怖すぎるんだが。

 

 

 

 

そして流し目男くんは言う。

 

 

 

流し目男くん

「いやー、パンダさんって

 率直になんでも話せて

 良いですねー。

 

 こういうことって

 ちゃんと話しておくこと

 大事ですもんねー。」

 

 

 

 

…いや、率直に話せてるのは

勝手なことを発表してるのは

君だけよ。

 

 

私の意見など何も

取り入れてないことに

お気づきですか??

 

 

 

 

なんて思いながらも、

こうして結局ここで、

彼の言葉を拒否はせずに

聞き続けている私。

 

 

 

色々引っかかっていても

こんな話をしていたら

 

あれ?この人もしや

私の将来のことまで考えて

話してくれてる?

 

 

とか

 

ここまで自信満々に言われたら

将来家庭を守ることも

悪くないかー、とか

だんだん思ってしまう。

 

 

 

 

 

今思えば

 

人を好きになりかけの時とか

なってる時のフィルターって

やっぱり危ない。

 

 

 

多分こうして

何もわからない時期に、

 

口のうまい男性に出会ってしまうと

彼の人柄の前に、

見た目とか職業に

惹かれてしまう女子は多いと思う。

 

 

もちろん見た目や職業は、

その人の良さの一部として見る分には

いいと思うけれど

 

それさえ良ければ多少難があっても

その難すら、

難と感じなかった私の危うさ。

 

 

 

今思えばこの流し目男くんが

たった2回の食事で

ここまでの発言をしておいてくれて

良かったと思う。

 

 

 

結婚してからわかっていたら

・・・

 

 

…やっぱり私も

抜け出せなかっただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

さてそんな中、その食事の後半。

 

 

 

流し目男くん

「パンダさん、今度

 僕の自宅で手料理を

 作ってくれませんか。」

 

 

 

 

彼は私に、そう言った。

 

 

 

 

「…あっ、はい・・そんなに

 レパートリーは

 ないですけど・・・」

 

 

 

 

ひとまずそう答えつつ、

ここで拒否するのは気まずいので

家に帰ってから

後で断ろうと思う。

 

 

 

流し目男くん

「レパートリーとかは

 やっていけばだんだん

 増えていくものですからね。

 

 あっ、お金渡しておくので

 今度僕の家に来る時に

 食材買ってきてください。」

 

 

 

 

私が一人で

買っていくんかーい。

 

 

 

 

 

「あっ、いやお金は大丈夫です。」

 

 

 

 

 

今もらっても

一生会えないので返せません。

 

 

 

 

流し目男くん

「いやでも、後で渡すとなると

 細かいお金ないと

 困ると思うから先に」

 

 

 

 

そう言って、

財布を開けようとする

流し目男くん。

 

 

 

 

 

あー、

 

むりむりむりむりむり。

 

困る困る困る困る。

 

 

 

 

 

流し目男くん

「それに、

 何をいくらで買ってくるかで

 パンダさんの金銭感覚とか

 センスもわかるので(にっこり)」

 

 

 

 

 

うわーお。

 

 

こんなこと言う人、

 

私、後にも先にも

この人しかいませんでしたけど

 

 

 

…こういう方に出会った人

いらっしゃいます?

 

 

 

 

 

 

 

 

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