シーズン3 登場人物
主人公 紀子さん
…40歳の働く主婦。一人息子は高校生。
美容オタクで、スタイルが良くて美人。
料理はプロ級にうまい。
紀子の夫 マサル
…紀子さんの大学時代の先輩。
都内で祖父の代から引き継いだ不動産会社を経営。
スマートで男女問わずモテる。
紀子の親友 真子
…紀子とは高校時代からの親友。
紀子たちの結婚式で健二に一目惚れされて結婚。
娘が二人いる。
真子の夫 健二
…マサルと大学時代のサークル仲間。
普段はマサルとよくサーフィンに行っている。
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真子から、
好きな人がいる
本気かもしれないと聞いた
その日の夜。
お互いの家族もいる中
タイミングがなくて
それ以上は聞けぬまま
それぞれの夫婦は
子供たちが眠っている部屋に
戻って行った。
酔っていた夫のマサルは
部屋に入るなり
我が息子が寝ているベッドに飛び入り
そのまま眠ってしまった。
この二人
だれが見ても親子。
瓜二つだと言われるほど
顔が似ている。
もう高校生になった息子と
普段は親子で
一緒に寝ることなんてない。
まだ息子が小さい頃は
マサルと並んで眠っている姿を見ては
幸せを噛み締めていたが
やっぱり今でもこうして二人が並ぶと
とても幸せだと感じる。
やっぱり私は
別の誰かを好きになることなんて
あるわけない。
この家族が好きだから。
紀子さんは改めて
そう思った。
ふと
マサルの携帯が気になった。
幸せな気持ちになったばかりなのに
こんなことバカげてる。
そう思ったが、
2年ほど前も紀子さんは直感で
マサルの携帯を覗いた。
こんな時悲しいくらい
女の直感は当たる。
そうしたら
飲み屋の女性と二人っきりで
しょっちゅう
会っていることがわかって
紀子さんにとってそんなことは多少
想定内のことではあったが
それでも見つけてしまったら
いやなものは嫌だった。
マサルは基本的に
相手の女性から
近づかれることが多い。
大体はお金目当て。
だからマサルも
それはそれで都合がよくて
いわゆる夜のお店の人などと
お互い割り切った関係で
遊ぶことがあった。
マサルが家庭を
1番に考えていることは
紀子も十分わかっていて
2年前のその時も
本気じゃなかったのならと
特にことを荒立てることはしなかったが
その後
浮気はあっさり終わっていた。
紀子さん
(…あ、今日携帯のロック…
外れてる。)
無防備なマサルの携帯を
紀子さんはつい
手に取ってしまった。
また遊び始めてるなら
少し釘を刺しておかないと。
そのくらい
軽い気持ちだった。
そしてLINEを開いて
紀子は息が止まった。
(もう私は
後戻りできないよ。
それくらい、
マサルのことが好きになったの。)
紀子の夫に
そうメッセージを送っていたのは
紀子の親友
真子だった。
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