ミキ本人です。

 

タクヤがどの辺りからおかしくなっていたか

過去を振り返ります。

 

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束縛が酷かった妊娠期間だが

私はそのことで

皆に急な負担がかからないよう

産休に入るまでの仕事は

とにかく頑張ろうと決めた。

 

 

しかしそんな時タクヤは

 

なんと仕事で、出勤停止を受けた。

 

 

詳しく書くと身バレがあるため

あまり書けないが

社会人として

常識に欠けることをした。

 

 

そして、

居場所がなくなったタクヤは

自ら退職。

 

(別居後タクヤから

 「二人で前の職場に戻ろう!」

 なんて、

 わけのわからないLINEが来たが

 

 自らやらかしておいて、退職して

 また私の力で戻ろうとするなんて

 やはり頭がおかしかった。)

 

 

タクヤは退職後しばらく、

転職活動をする様子もなく

ただうちにいた。

 

 

妊婦の私は出産まで

無職のタクヤを養いながら働いた。

 

 

なんで妊婦の嫁が

バリバリ働いて、旦那は無職??

 

 

この時は、やるしかなかったが

やはり今考えても

もう最初からおかしかったのだ。

 

 

 

 

 

私の妊娠後期

無職になったタクヤ。

 

タクヤの最悪な部分ばかり

書いて来たけれど

それでもその度にまた、

 

やっぱり頑張るしかないと

話し合ったり、信じたりを繰り返し

 

 

妊娠後期は、穏やかな時期もあって

嬉しいこともあった。

 

 

 

それは、2人で過ごす

初めての私の誕生日。

 

 

仕事が終わって家に帰るとそこには

コース料理のような

夕飯が準備されていた。

 

 

 

お金がないタクヤ。

 

 

けれど彼はプロ並みに

料理がうまかった。

 

 

だからないなりにでも、

スーパーで買い物しをし

食材も工夫して

昼から仕込んで準備したようだった。

 

 

 

 

タクヤ

「誕生日おめでとう。

 

 本当はもっとちゃんとした

 いいお店とかに

 連れて行ってあげたいんだけど…。

 

 今はこれくらいしか出来なくて…。

 ごめん。」

 

 

 

 

私は、十分嬉しかった。

 

 

 

 

ミキ

「そんな、いいお店じゃなくても!!

 だって凄いよこれ!!

 全部作ったの!?凄いよ!!」

 

 

 

 

タクヤ

「うん、でもこれからすぐに

 新しい仕事見つけるよ。

 

 来年の誕生日には

 いいお店に

 連れて行ってあげるからね。

 

 だから今年はこれで…。」

 

 

 

ミキ

「ありがとう。

 

 お腹も大きくなってきたし、

 疲れやすくなってるから、

 

 私は外出するよりこうやって

 家でゆっくりしながら

 タクヤが作ってくれた料理食べる方が

 嬉しいし体も楽だよ。」

 

 

 

 

本当に、そう思った。

 

 

 

 

タクヤ

「喜んでくれてよかったー。

 

 あ。ミキ、今は飲めないから、

 気分だけでもと思って、ノンアルの

 スパークリングも買ったんだよ。

 

 今日はこれ飲んで

 2人でお祝いしよう。」

 

 

こうして私たちは

穏やかで楽しい食事の時間を過ごして

 

夕飯も終えて、暫くしてからだった。

 

 

 

フッと、部屋が真っ暗になった。

 

 

 

 

同時にタクヤが

キッチンからロウソクに火を灯した

ホールケーキを運んできた。

 

 

 

タクヤ

「えっと…。これ。

 おめでとう。」

 

 

 

恥ずかしそうにタクヤが言った。

 

 

 

 

ミキ

「え?…ケーキなんて

 どこにあったの?

 さっき冷蔵庫にはなかったけど…」

 

 

 

タクヤ

「野菜室に隠しておいた!

 気づかなかっただろ!笑」

 

 

 

照れていたタクヤが得意げに言った。

 

 

 

タクヤ

「ミキの誕生日だし!

 

 ケーキ屋さんは5件くらいまわって、

 ○○(銀座の有名店)の

 このケーキにしたんだ。

 

 絶対に美味しいやつにしたくて

 結構迷って、3時間くらい

 ケーキ選びにかかったけど、

 これ絶対美味しいよ!!」

 

 

 

子供のように自慢げに話すタクヤ。

慣れている人は

こんなことわざわざ自分で言わないが、

 

けれど普段サプライズなどしないタクヤが

こんな風にしてくれた。

 

 

私はもうそれだけで、十分だった。

 

 

 

 

 

ミキ

「そんなに回ってくれたの?

 ありがとう。」

 

 

そして私はロウソクを勢いよく消した。