ミキ本人です。
今はタクヤとの出会いについて
振り返っています。
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私のせいではあるが
自宅での晩酌タイムに
飲みすぎたタクヤ。
しばらく
トイレに引きこもっていたが
そのうち個室から
泣いている声が聞こえた。
苦しそうに吐きながら。
ん??なぜ…。
酔っ払ってベロベロ…
で、泣いてる。
ミキ「どした?苦しいの?」
思わず声をかけに行った。
タクヤ
「大丈夫!あっちにいて!
大丈夫だから。」
どう見ても大丈夫ではなかった。
けれどきっとどんなに酔っていても
自分の情けない姿は
見せたくなかったのだろう。
あと
そっとして欲しかったのだろう。
私は部屋で
タクヤが落ち着くまで待っていた。
すると…
タクヤ
「う、うぅぅぅ」
何か叫び声のような…。
ん?なに?倒れるの?やばいの?
急いでトイレに向かうと
タクヤは便器に向かって
苦しそうに叫んでいた。
タクヤ
「俺は…俺は、
ミキちゃんが好きなんだ…!
ミキちゃんのことが
大好きなんだよー!!
うわーん。」
いや、なんで泣く。吐きながら。
好きとは聞いてたよ。
しつこいくらい聞いたよ。
でも、何に対して泣いてるの?
もう付き合ってるでしょ。
それからはもう
邪険にも扱ってないし。
(今のところは)
なぜ、想いが弾けたの?
よく分からない。
分からないけど一旦
好いてくれてありがとう。
そんな気持ちにもなった。
この日からタクヤはなぜか
酔っては泣く
泣いては私への思いを叫ぶ
これを何度か繰り返し始めた。
それは交際期間だけでなく、結婚後も。
その度に私は
そんなタクヤを介抱して来た。
余談だけれど、結婚後もこういう時の
トイレの後始末は結局
ほとんど私がした。
けれどタクヤは仕事仲間の前では
こんな姿を見せなかった。
私と言う居場所がタクヤなりに
そんなに信頼できて、
そんなに頼りにできて、
自分を唯一
さらけ出せる存在だったなら
なぜ裏切った?
私の覚悟は?
私が感じていた責任は?
付き合い当初のタクヤの
しおらしさ、気遣いは
結婚を機に天に召されたようだ。
どうしてだろう。
私が結婚したのは、別人だったの?
◆
そんなタクヤと付き合いはじめて
1カ月と少し。
たった1ヶ月だが
私たちはほぼほぼ毎日を
一緒に過ごしていたため
タクヤのいる生活にはすぐ慣れた。
帰る場所が同じだと、
私が別の部署の人と飲んできても
友人と会っていても
夜になると顔を合わせるため
タクヤはそういったことは
気にもとめず
お互い自由な時間もあって、
週末は一緒に過ごして、
想像より気楽で
平和な日々だったと思う。
けれどある日
予期せぬことが起きた。
私は普段から
お酒を飲む機会も多いが
このライフスタイルを続けてゆく上で
30代の私は、
自分のメンテナンスは
しっかりしていたいと思い
病院に検診に行くようにしていた。
歯科検診、眼科、がん検診など
いくつか検診を受けて
ひとつひっかかった。
産婦人科。
子宮筋腫だった。