ミキ本人です。
今はタクヤとの出会いについて
振り返っています。
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付き合うことにしてからというもの
同棲とまではいかないが
タクヤはそれ以降、
仕事終わりはほぼ毎日
家に寄って帰るようになった。
どちらかというと普段
私の方が残業が多かったため
タクヤは私の家の近くの本屋で
時間をつぶしていたり
深夜に及ぶような時は
家の鍵も預けるようになっていた。
タクヤ
「夕飯は何にする?
ミキちゃん遅くなりそうなら
俺が買い物して、
夕飯の準備しておくよ!」
ミキ
「え、いいの?
無理しなくていいよ。」
いつしかタクヤは、
私を待つ間にスーパーにも寄って
家のことをしてくれるようになった。
タクヤ
「自分がやりたくてやってるから
全然平気!
ミキちゃん部下の面倒も見てて
大変なのはわかってるからさ
夕飯は任せて。」
タクヤは料理が本当に上手で
この時疲れて家に帰ると
カフェのような食事が準備されていて
二人でビールで乾杯して一息。
私は本当に助かっていた。
よく、恋人と過ごす時間は特別。
そう表現する人もいるけれど、
私にとってこの時間は
特別というより
なんだか日常というか
気兼ねしなくても良い
とっても楽な空間だった。
それだけタクヤが
いつのまにか私にとっては
よく言えば心地よい存在にも
なっていたのだろうか。
はぁ。
本当に思い返す度に思う。
何度も思う。
どうしてこの時のタクヤのままで
いられなかったのか。
付き合っている時の彼は
どこに行ったのか。
頼りになんかならなくても
こうしてただ思いやりを持って
家のことを手伝ってくれたりする。
それだけで、ありがたかった。
いつから背伸びして
いつから自分勝手に
爆発してしまったんだろう。
それともあれは全て
演技だったのだろうか。
それから結局タクヤとは
半同棲のような
付き合いが始まっていった。
やはり一緒に生活していると
住まいを別にしているカップルよりも
さらけ出す速度も
お互いの様々な部分を知る速度も
早くなってゆくと感じる。
私たちはお酒が好きだ。
けれどタクヤはお酒に弱い。
そして、お酒に飲まれる。
付き合い始めて数日の週末
私たちは二人で晩酌をしていた。
仕事の時は
お互いにセーブしていたため
タクヤの本当の酒癖など
知らなかった私は、
一緒に焼酎を飲もうと言うことになった際
焼酎8割、緑茶2割といった割合で
緑茶ハイを作り
タクヤに差し出していた。
決してわざとではない。
私は焼酎の割合をあまり知らなかった。
タクヤは味の濃さに驚いていたが
それでも私が差し出したということで
そのままその焼酎を飲んだ。
タクヤ
「ミキちゃん、ありがとー!
いかついなー!笑」
タクヤは即、潰れてしまった。
タクヤ
「ミキちゃん、ごめん。
かなり気持ち悪い…。」
いやこっちこそごめん。
本当にごめん。
タクヤは
お酒に強いと思っていた私が
結果的に飲ませてしまったんだから
無理もない。
ミキ
「私の作り方やばかった・・?
濃かった?ごめん‥」
タクヤ
「うっうん…。
こ、濃いなーとは思ったけど…。
ミキちゃんが作ってくれてたし…。
楽しそうだったし…。」
ミキ
「そういう時は言ってよ!
ごめん!!」
タクヤ
「大丈夫じゃないけど、大丈夫。
ちょっと外に出てくる…。
ミキちゃん家を
汚したらいけないから…」
なんだかこの時は
まだまだしおらしい。
ミキ
「そんなこと気にしないで!
後で掃除すればいいし。
あ、タクヤがね!」
ちゃっかり。
タクヤ
「ごめんね…。
もちろん俺が掃除するから…。
本当にごめん…。」
そうしてタクヤはその日
おトイレとお友達になった。