ミキ本人です。

今はタクヤとの出会いについて

振り返っています。

 

 

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二人で夕飯を食べた後

タクヤは私のマンションの前まで

送ってくれた。

 

 

タクヤ

「明日はどうしますか??」

 

 

明日…明日…え、明日も?

 

 

 

ミキ

「あぁ、明日はね、寝るよ。」

 

 

毎日ハードな仕事と、

付き合いでの飲みも多く、

月曜から金曜日までそんな日々で

今日は土曜日。

 

 

週に一日くらいは

エネルギーをチャージする日が必要だ。

 

 

 

日曜は家に引きこもって寝ていたい。

そして夕方になったら、

ちびまる子ちゃんとサザエさんを観ながら

明日に備えて頭を切り変えたい。

 

本当にそう思っていた。

 

 

 

 

タクヤ

「え。寝るんですか!?

 じゃあ明日は、

 ミキさんの家まで来てもいいですか?」

 

 

 

 

いや、寝るって言ってるじゃん。

 

しかもそれは

仕事に全力を尽くせるよう

エネルギーチャージのために

引きこもりたいのだと。

 

 

意味伝わらないのかな。

 

 

 

 

 

ミキ

「いや、本当に今週疲れてるの。

 知ってるでしょ?

 

 お願いだから1日寝させて。

 マジで。

 

 明後日の月曜日からだって

 毎日会うんだし。

 

 1週間あの生活するには、1日寝て、

 エネルギー貯めないと無理なの。」

 

 

わざわざ同じようなことを

もう一度説明した。

 

こればかりは、

いくら押しの強いタクヤにも

邪魔されたくはなかった。

 

 

 

タクヤ

「そうですか‥‥じゃあ分かりました。

 明日は寝てください。」

 

 

 

ミキ「うん、そうする。」

 

 

 

 

タクヤ

「はい、それは

 ミキさんの身体優先で!」

 

 

 

 

ふぅー。良かった。

やっとわかってくれた。

 

 

さぁ、部屋に入ろう。

 

 

 

 

 

じゃあね、と言いかけたその時。

 

 

 

タクヤ

「あの。僕たち(一緒に住む)

 っていうのはどうでしょうか。

 

 今のマンションにそのまま住むなら

 家賃5〜7割は僕が払います。

 

 でも、広いところがいいなら、

 貯めて引っ越して

 一緒に住みましょうよ。」

 

 

 

ねぇ。

どうしてそうなるの。

 

 

 

タクヤの押しに負けて

付き合うと言ってしまってから

たった1日。

 

 

タクヤが同棲を切り出した。

 

しかも家賃は折半。

 

 

 

 

 

ミキ

「はい?

 さすがにそれはないでしょ。

 早すぎる。

 

 しかも私が同棲するときは

 結婚するときだから。」

 

 

 

 

タクヤ

「え?だって僕たち

 結婚前提ですよね?

 

 この間から、

 結婚前提で告白してますよ。

 だから尚更

 問題ないじゃないですか。」

 

 

 

 

いや、問題しかない。

 

 

 

 

ミキ

「ねぇ、冷静に考えてね。

 結婚ってそんな簡単じゃないでしょ。

 

 そもそもタクヤ、

 あんたまだ入ったばっかで

 契約社員でしょ。

 

 結果出して

 先に正社員にならないとさ。」

 

 

 

 

やっぱりタクヤと話していると

上司の立場でものを言ってしまう。

 

 

 

 

タクヤ

「そうですよね…。すみません…。

 

 早くミキさんに認めてもらえるように

 最速で正社員になります!

 それが目標です。」

 

 

 

そう、まずそこだよね。

 

 

 

 

タクヤ

「達成したら、

 毎月ミキさんに花を一輪買って

 プレゼントします!

 

 正社員になったら

 花束を渡せるように頑張ります!」

 

 

 

タクヤ。

 

 

 

 

あの時あんたは強引だったけど、

それでも真っ直ぐに

私に向かってきてくれたから

あの言葉を信じたから

 

こうして私は

タクヤを受け入れたんだよ。

 

 

 

だってまず上司は

部下を信じるじゃない。

期待するじゃない。

 

 

 

 

この時のタクヤの無邪気さは

私には眩しくて

可愛くさえ思えてた。

 

 

 

 

だけど

 

 

それから一度も

花一輪さえ貰ったことはない。