ミキ本人です。
今はタクヤとの出会いについて
振り返っています。
なんだかんだでタクヤとその日は、
私が一度行ったことがある
小料理屋に行った。
余談だがそのお店はその後
行きつけのお店になり、
今でもよく
利用させていただいている。
女将もスタッフさんも
本当によくしてくれて、
娘が出来た後も
娘特別メニューを作ってくれたり
席も唯一の
ソファー席を用意してくれたりして
本当に大好きなお店になった。
さて話は元に戻るが
タクヤと2人で食事に来たのは
これで3回目だ。
まさか、3回目が
恋人同士での食事になるとは
出会った頃は思いもしなかった。
席につき、私たちはまずビールを頼んだ。
タクヤ
「ミキさん、何食べます?」
ミキ
「うーん。まずは、これとこれかな。
タクヤ、嫌いなものとか
食べれないものある?」
タクヤ
「そうですね、
僕嫌いなもの結構あるんですけど、
ミキさんが頼もうとしていたやつは
僕も頼もうと思ってました!笑」
ミキ「じゃあ、頼もうか。」
タクヤ
「すみません、
これとこれお願いします!
あ、あとこれも。」
あ。それ、私も悩んでたやつだ。
なんだ、食事するには気が合うのか。
お酒も飲みたいやつ一緒だし。
なんか食が合うって、気兼ねしないし
ストレスなくていいな。
タクヤ
「さっきの、
僕勝手に注文しちゃいましたけど
ミキさん、食べれますか?」
ミキ
「私、好き嫌いないから
なんでも食べるよー。
しかも、それ頼むか悩んでたやつ笑」
食事をしているうちに、いつしか私は
普段の自分のペースに戻っていた。
それは、恋人同士という関係性を
意識をしていなかったからかもしれない。
だけどそんな実感を持てなくても、
なんだかその場はその場で
楽しかったのだ。
そしてその時
私は初めてタクヤの生い立ちを聞いた。
後になってその話が
ほぼ嘘の内容だったとは
この時は知る由もなかったが
きっとタクヤは、
私に見栄を張りたかったのだろう。
けれど結果的にそれが
騙す事になったわけで
私も勿論
まさかこの時は嘘だとは気づかず
信じてしまった。
たぶんあの時にちゃんと
真実を話してくれていたとしても
私の態度は
一つも変わらなかったのに。
きっと今まで、
ありのままを受け容れてくれる人に
出会えなかったのだろう。
何者でもない自分のついた嘘が
自分の中で膨らんで
本当のように
なってしまったのかもしれない。
だけど思う。
今のタクヤのままでは
受け容れてくれる人など
望んでも出会えない。
結局は、自分で自分を
そんな風に作り上げてしまった
自分の責任。
私はタクヤの嘘を知っても
何度もチャンスを与えた。
それが家族、
それが生涯を誓うということなのに
向き合えなかったタクヤは
自分自身に背を向けたも同然。
もうタクヤが生まれ変わるなんて
心を入れ替えるなんて
きっと無理だろう。
死ぬまで無理だと思う。
当時は勿論
そんな事思うはずもなく、
押しに押されて食事したはずが
思ったより楽しく過ごせてしまった。
一方でまだ
恋人同士になっている事実には
どこか違和感を感じられずには
いられなかったのに。