当時の私は、タクヤを含め
まだ私のことを
何も知らない部下のタクヤ。
付き合ってもいない私に
何を言ってるんだ。
ミキ
「は?何言ってんの(笑)
酔っ払ってるなぁー。」
タクヤ
「酔っ払ってないです!
本気です!
なんなら契約書書きます!
それで信じてもらえますか?!」
契約書ってなんだ?
その前に、酔った勢いとはいえ
自分勝手に話を進めすぎじゃないか?
その日は
そんなタクヤをあしらいながら
結局仕事の話をしたりして
ほどなくして店を出た。
私はお酒に弱いわけではないが
ある程度飲むと
気分が良くなり陽気になる。
そこで、そんな私と
もう1人の男の後輩とで
ミキ「うぇーい!!」
陽気な私が発動したまま
ららら〜な気分で、肩を組んだ。
すると
タクヤ
「ミキさんと離れろ!!」
急にキレた。
いや、なぜあなたがキレる?
結局その日は
私は1人タクシーに乗って帰宅。
タクヤは
その後輩の家に泊まっていったらしい。
◆
私は家に帰ると
少し酔っ払ってしまったこともあり
すぐに眠ってしまった。
翌朝、起きて携帯を見ると
タクヤからLINEがきていた。
タクヤ
「昨日はありがとうございました。
楽しかったです!」
そういえば昨日
タクヤからからかわれたような。
まぁいいか。
お酒の席だったし。
私は後輩として
お礼の連絡を入れてきた
タクヤのLINEに少しホッとした。
ミキ
「全然!また飲もうね!」
するとタクヤから
すぐに返信があった。
タクヤ
「昨日のこと、ちゃんと覚えてます?
僕、本気なんで!
冗談じゃないですからね!」
え。なんだアレ本気だったの?
こいつ
年上の上司からかってんのかな。
ミキ
「え、なんのこと?
まぁでもそのくらい本気で
リーダー目指すってことね。
頑張ってね!」
付き合うとか結婚とか
そのあたりのことはスルーした。
面倒だなとも思った。
後輩。部下。
それ以上の感情など、
この時は本当になかった。
社内で上司と部下が、
あーだこーだなんて
本当に面倒くさいことになってしまうし
噂にもなりたくない。
なによりも
私は歳下がタイプではなかったし
まず顔が好みじゃない。
(本当に本当に)
タクヤからはまた
すぐに返事が返ってきた。
タクヤ
「昨日告白したじゃないですか!
あれ、本気です。
流さないでください!」
本気って言われても
あんなところで、あんな流れで。
普通流すでしょう。
私
「本当に冗談はやめてー!
私ね、もうこれからは
結婚考える人じゃないと
付き合う気はないの。
タクヤのこと
そう見れないのは分かってるでしょ笑」
それでもタクヤの押しは
どんどん強くなっていった。