ミキ本人です。

 

女にとって晴れの舞台の結婚式

私にとっては…

忌まわしい記憶となりました。

 

 

 

 

 

結婚式の後

私は親友たちとのプチ二次会を終え

チビミキとホテルの部屋にいた。

 

すると、姉と義兄と話し終わった

タクヤが戻って来て言った。

 

 

 

 

タクヤ

「ミキ・・・

 

 色々聞いてきた。

 

 

 ごめんな。ごめん。

 俺、ちゃんとするから。」

 

 

 

 

 

ちゃんとする、か‥‥

 

 

その言葉を

信じる事が出来たらよかった。

 

それより本当に

タクヤが努力出来れば良かった。

 

 

結婚してまだ数年。

 

 

それでもタクヤの言葉を

容易に信じる事は難しい。

 

きっとタクヤの努力は

継続などしない。

 

 

わかっているのに、私の心は

タクヤを信じたかった。

 

 

結婚パーティーをした時期

世間はGWだった。

 

 

お互い11連休。

 

 

家族3人で、

アウトレットや動物園。

いろんなところに出かけた。

 

家でのご飯は

全てタクヤが作っていた。

 

チビミキにとって、

初めてのアウトレット。

 

 

初めての動物園。 

 

 

毎日毎日

パパとママとずっと一緒。

 

 

 

パパとお揃いのTシャツを着たり。

 

いたずらをしたら、ママに叱られて、

パパに甘やかされて。

 

 

あの時が家族最後の

幸せな時間だったかもしれない。

 

 

今となってはそう思う。

 

 

この時期

チビミキが寝た後に、

家で2人で晩酌する日もあった。

 

 

その都度、タクヤは泣いた。

 

 

 

タクヤ

「情けない奴でごめん。」

 

 

 

ミキ

「泣いても仕方ないよ。

 過去も変えられないし

 親も変えられない。

 

 ただ前を向くしかない。

 全て知った上で私も覚悟した。

 どんなに情けなくても

 ありのままでいい。」

 

 

 

 

 

その時タクヤは、

こんな強そうな私に言ってくれた。

 

 

 

タクヤ

「ありがとう。だけど・・

 

 ミキはどこで弱みを出すのかな。

 どこで息抜きしているのか。

 

 心配になるよ。年上だけど。」

 

 

 

そう言って、タクヤは酔っぱらうと

便器とお友達になりながら、

吐きながらの泣きながら

 

 

タクヤ

「俺はー!

 ミキちゃんが好きなんだよ!

 大好きなんだよー!

 大好きなんだ…」

 

 

そんなことを言っていた。

 

 

私はそんな、

タクヤでよかったんだよ。

 

 

 

 

家族さえ見てくれたら。

 

それ以上

何もいらなかったんだよ。

 

 

私たちは、付き合って

日にちが浅いまま結婚した。

 

人として未熟だし

まだまだ知らないことは

たくさんあったけれど

 

チビミキが出来て

タクヤから結婚しようと言われて

 

 

嬉しかったんだよ。

 

 

どんなことがあっても

タクヤはチビミキの父親。

 

 

 

少しずつ

父親になってくれればいい。

 

 

ただそれだけだった。