ミキ本人です。

女にとって晴れの舞台の結婚式

私にとっては…

忌まわしい記憶となりました。

 

 

 

 

両親と絶縁状態のタクヤの姉。

 

そんな事情から

身内が集まる挙式には

義姉に出てもらう事が出来なかったが、

 

結婚パーティーは友人や

会社の人だけだとそう伝えたら

義姉は承諾してくれた。

 

さらにご主人も一緒にきてくれた。

 

 

お姉さんはとても話しやすい人で

私は電話で挙式までの経緯を話した。

 

タクヤが式の準備には一切参加せず、

挙式のあと私は

心労で倒れてしまったこと。

 

タクヤの両親は

1円足りとも挙式代を出さず

さらに自分たちの衣装代も

いつの間にか

私たちのお会計につけてあったこと。

 

 

タクヤは両親の浮気や

義姉が両親から受けた仕打ちを

絶縁したいほど憎んでいる理由を

ほとんど知らない。

 

 

私はこの結婚パーティーをきっかけに

義姉とタクヤが話をすることができたら

あいつも目を覚ますのではないかと

期待していた。

 

 

義姉と、その義姉を救い出した義兄。

 

 

タクヤのこの性格は

きっと愛情に飢えているだけ。

娘の成長と私の支えで

きっと心を入れ替えてくれる

 

私もこのときは、義兄のように

タクヤを救ってあげたいとすら

思っていた。

 

 

 

 

 

そして、

なんとか当日を迎える事が出来た。

 

 

出席者は、タクヤの姉夫婦以外

全て私の招待者。

 

前の職場の後輩たちは

共通の知り合いではあるが

 

 

タクヤへのサプライズは

会社の人たちからのビデオレター

 

部下たちの余興ダンスに、

突然私が参加して踊るというのも

みんなで練習して準備したのだ。

 

 

そして最後に、タクヤへの手紙。

 

 

ここは一般的にタクヤへの感謝や

馴れ初めなども話すのだろう。

一般的には。

 

 

しかし、私は違った。

嘘は言えない。

 

 

まず、出席してくれた皆

式場のスタッフの方々に感謝の意を。

 

そして、タクヤには、まず怒りを。

 

 

 

 

「正直今日まで、結婚式、

 パーティーの準備

 何もしてくれませんでした!

 

 腹が立ちました!」

 

 

 

前半はつらつらと

今までの文句を話す私。

 

会場では、大ウケだった。

 

 

 

結婚パーティーの

花嫁から夫への手紙。

 

本来なら涙を誘い感動を呼ぶ場面。

しかし私は下書きも何もなく

便箋も持たず

 

皆へ、タクヤへ

今の思いをそのまま述べた。

 

 

晴れの舞台で

新郎をディスる新婦なんて、

そうそういないだろう。

 

 

 

ここにいるけど。

 

   

 

けれどそれは同時に

こんなありのままのタクヤを

それでも家族として

受け入れてゆくという

 

私の決意表明でもあった。

 

 

ちらりと隣にいるタクヤを見る

 

 

なっ泣いてる!!

 

 

しかも…号泣!?!?

 

 

 

出席者たちは皆私の友人。

 

 

後々この時のことを

友人たちに聞いてみたら

 

新婦の私が

新郎へのこれまでの鬱憤を

ひたすらぶちまけているというのが

最高に面白かったらしいが

 

それを聞いて号泣する新郎を見て、

 

 

訳わからない、もう笑うしかない

という状況だったらしい。

 

 

何もしなかったのに。何故泣く。

 

 

と、泣いてるタクヤはさておき。

 

 

 

ミキ

「私たちは夫婦は、

 上司と部下の関係から始まりました。

 歳も私が上。

 タクヤは本当に未熟です。

 

 子供が生まれ、本人も一気に

 家庭を背負うことになりましたから

 責任感や日々の仕事の忙しさで

 きついと思いますが

 

 だけど彼なりに男気を見せて

 嫁と子を!!

 と意気込んでいることだって

 あると思います。

 

 頼りにしたいんです。

 

 でもそれは

 今のタクヤでは無理です。」

 

 

 

 

バッサリ。

 

 

言ってしまった。

だって、そうだったから。

 

 

 

 

でも。

 

 

ミキ

「だから、あと2年か3年は

 私が責任を持って

 家族を支えていきます!

 守ります。

 

 彼の今後を見守り期待して。」

 

 

 

 

 

タクヤ。

 

めちゃ泣いてるやん!!!!

 

 

さっきより泣いてるやん!!

 

何泣き!?

 

まぁ、いいや。泣かせておこう。

 

 

わたしは

皆の場で覚悟を示した。

 

けれど誰の心より

タクヤに伝わって欲しかった。

これまでの色んなことを

夫婦として乗り越えてやっていこうって

思って欲しかったから。

 

 

私の演説のような話が終わって

ふと我に返った。

 

これって結婚式?

会社のキックオフとか表彰みたいな??

 

まぁ、

これはこれで私らしくていいか。

 

 

あー!!!スッキリした!!!

 

 

この時わたしは

大勢の前で覚悟を示したことで

 

いや、何より

怒涛の日々が一旦落ち着くことで、

 

 

凄くスッキリした気持ちになった。

 

 

同時にこの日はタクヤの

 

 

これから頑張ろうね

 

 

この言葉は本当だった気がした。