※スピンオフは、
ミキ本人の目線から見たお話です。
娘が入院して数日。
2人で過ごして数日。
毎日病院に行った後は
当たり前に自宅に帰ってきて
自宅で夕飯を食べるタクヤ。
そんな中できっと
タクヤは油断していた。
いつも以上に隙しかない。
今だ。今がチャンスだ。
私はまず
タクヤがお風呂に入ってる隙に
リビングに置きっぱなしにしていた
携帯を手に取った。
パスワードは知っている。
タクヤの考えそうなことはわかる。
開くのは簡単だった。
ちなみに私は、
不倫が分かったタイミングで
本人にはまだ何も話さず
勝率100%、達成率200%レベルで
証拠を集めると決めていた。
完全に仕事脳なんだな。
だから途中でバレるなんて
あってはならない事。
自分の携帯のパスワードは
タクヤが絶対に
解読出来ないパスワードに変更。
タクヤと私の会話を録音した
ボイスレコーダー全て、
信頼出来る友人に共有し
タクヤが隠蔽出来ないようにしていた。
話の通じないタクヤと離婚するのは
きっと一筋縄ではいかない。
この時タクヤはまさか私がこんなにも
周りを固めているなんて事
想像すらしていないだろう。
それはきっと今も。
タクヤにとって私は
絶対的に信頼出来る
自分を見捨てない
守ってくれる存在だったから。
結婚を決めた時、娘を出産した時
そういう存在でありたいと
心から思っていた。
でもそれはタクヤ次第だった。
1人では頑張れない。
あんた次第で、私は仏にでも
大魔王にでもなれたんだよ。
さぁ、タクヤの携帯の撮影時間は、
2分くらいにとどめたい。
和歌子とのやりとりは
想像以上に多かったが
今タクヤが浴室から
突然出てきたら怖い。
今日はこれ以上続けるのは
リスクが高そうだ。
次は、タクヤが就寝した時だ。
タクヤは就寝するとびくともしない。
全然起きない。
だからその時がチャンス。
タクヤ
「はー!いい湯だった!
ミキ、入る??」
すぐに切り上げてよかった。
タクヤは思った以上に
早くお風呂から上がってきた。
私
「うん!そうだね!
私も入ってくるね!」
何事もなかったように振る舞い
私は自分の携帯を持って
お風呂に向かった。
お風呂の中で、
ミキとのやりとりを読んでみる。
(そのことは、
次のパンダさんのお話の中で・・)
そしてタクヤが就寝後
再度タクヤの携帯を開き
履歴を辿った。
和歌子の本名、見つけた。
手紙と一致した。ビンゴ!!
私は、和歌子とタクヤのLINEを
超高速で遡り、
自分の携帯で撮影することにした。
内容は、後から見返せる。
まずは多くの情報が必要。
情報を得た後に、
整理して分析すれば特定は可能なはずだ。
それからは、
撮影したやり取りの画像を元に
自分の携帯で時系列の確認。
和歌子の勤務先や年齢・出身大学
最寄駅までわかった。
探偵いらずだな。
それにしてもこんなところで、
仕事のスキルが役に立つなんて
皮肉なものだ。
こんなことがわかったところで
達成感があるわけでもない。
あるのは虚しさや怒り
悔しさと痛みだけ。
これまでの仕事で
そのキャリアの中で
私がどれだけの嘘を暴いてきたか。
タクヤ
あんたが1番知ってると思ってた。
私の元部下であり、夫だったあんたは
全然私のことを
見てなかったんだね。
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