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お読みいただいてありがとうございます。
読んでくださる方が多くなったため
簡単なあらすじをまとめています。
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和歌子と電話で話した私は話す前から、
彼女が発しそうな言葉は
ある程度予想がついていた。
実際会話してみたら
和歌子はタクヤほど
ぶっ壊れているとも思わなかったし
この件を
タクヤに知らせてしまったことも
まぁ、そうなんだろうなと思った。
彼女はまだ、
タクヤの言葉を信じたいだろうから。
けれど今日
タクヤと2人で会うことについては
私は正直
なんの言葉も準備していなかった。
まぁ…考えても仕方ない。
彼の思考は
私には理解不能だからだ。
着地点がどこなのかもわからないけれど
私はマンションの前に降りた。
緊張はしていない。
タクヤごときに
緊張するのは心の無駄遣い。
むしろ緊張していたのは
タクヤだったようだ。
部屋につくと
ややこわばった表情の
タクヤの陰鬱さとは裏腹に
私を見つけたちびミキちゃんが
キラッキラのお顔で駆け寄って
無邪気に抱きついてきてくれた。
私
「ちびミキちゃんっ!
会いたかったよー!!
今日は一人で来てごめんね。
また今度ちびパンダも
一緒にくるからね!」
ふわふわのほっぺと手を
私の体に痛いほど密着してくれて
胸がぎゅーーと苦しくなった。
抱っこしたまま立ち上がり
目線を上げると
タクヤが軽く会釈をした。
タクヤ
「すみません。
わざわざ自宅に来てもらって…
うちら夫婦のために…」
タクヤの言葉は
私の心に、何も刺さらない。
私
「いや、まぁとにかく
話そうか。」
ちびミキちゃん
「アンパンまんー」
まん丸の可愛い笑顔で
近づいてきた娘ちゃんが
オモチャのアンパンマンを
見せてくれる。
私
「うわぁー。すごいー。
いっぱいいるねー。」
まずは興奮状態の
ちびミキちゃんと遊ぶ私の周りを
手持ち無沙汰なタクヤは
ウロウロ歩き回っていた。
そんな間も
携帯は握り締めていて
時々何やら返信している様子だ。
こんな時まで和歌子か。
和歌子、
今は黙っててくれないかな。
さぁ…
話そう。
私はちびミキちゃんの大好きな
アンパンマンの映像をかけて
リビングにある椅子に腰掛けた。
タクヤもその向かいに座った。
私
「さて、と…
何から話せばよいやら…
で、あなたはどうするつもり?」
タクヤ
「僕はもう、離婚したいです。
耐えられないです。」
……。
へぇ。
最初にいう言葉がそれですか。
そうですか。
私の頭の中で
ブチ。
という音がした。