スピンオフも一旦、

不倫発覚後の話に戻ります。

 

 

 

 

タクヤは数ヶ月前から

親の体調が悪いと言っては

その度に実家に帰っていた。

 

入院もしていないのに、

そんなに長い間

体調が悪いなんてことある?

 

私には会わせようとはしない。

 

 

 

だけど、

そもそもタクヤと

警察沙汰の喧嘩をした時

守ってくれなかった義両親。

 

 

 

会いたいとは思っていないし

きっとタクヤの

いつもの嘘だろうから

心配はしていなかった。

 

 

勿論タクヤには

心配したフリ、騙されたフリ

それを突き通した。

 

 

私の帰省は、

予定より早めに切り上げた。

 

マンションに戻ってきたら

胸騒ぎしかしなかった。

 

 

それでカバンを探ったら

予想的中。

ヴィトンの袋。

ヴィトンの箱。

 

 

 

これ

新しい財布が入っていた箱だよね?

中身入ってないし。

 

 

 

まぁ私への

サプライズじゃなさそうだね。

 

 

 

怪しさしかない。

 

 

箱を探ってみる。

 

 

 

そしてあっさり出てきた手紙。

 

 

 

 

 

内容を見て確信した。

 

 

 

はいはい、不倫ね。

 

 

 

しかも数ヶ月前、

親が体調崩したとか言って

 

家をあけるようになってからの期間と

ばっちり合うね。

 

 

 

メッセージカードの内容を読みながら

酷く冷静な自分がいた。

 

 

 

これは調べれば証拠が出てくる。

すぐにそう思った。

 

 

 

 

旦那はなぜか、

私を過剰に信頼している。

 

 

 

疑うことなどないと思っている。

 

 

だから旦那は私に無防備。

そのことだけは確信できる。

 

 

 

 

よし、これから証拠を集めよう。

 

まずは目の前にある証拠を

迷わず写真に撮った。

 

 

すぐに信頼出来る友人たちに

事情を伝えた。

 

 

送った写真

メッセージカードの原本は

来る時が来るまで

保存してもらおう。

 

 

私はその場で、

手紙の内容から想定されることは

全て分析することにした。

 

 

 

買ったお店

プレゼントの中身。金額。

 

 

 

本当に私は今考えても、

恐ろしくも冷静に

証拠を集め続けていた。

 

 

 

 

来る時がきたんだ。

 

 

 

 

これをきっかけに

何がなんでも

動き出さなければならない。

 

 

 

 

 

私はもう

このままではいられないから。

 

 

 

 

なんて、行動の冷静さとは裏腹に

少し時間が経つと

怒りも憤りも抑えきれない。

 

 

 

絶対に許さない。

 

DV、モラハラ、借金

生活費を入れない日々

家族を放置して出かける日々。

 

 

全て、

自分の恋人ごっこのためだった。

 

血の繋がった娘より、

痛々しい手紙を書いてくる不倫女と

自由気ままに

偽りの自分で楽しく過ごしてきた最低夫。

 

 

クズだと思った。

 

 

こんなこと許せるわけがない。

かといってやはり

ここで感情的になって

問い詰めてはいけない。

 

 

まずは不倫相手の正体を突き止めたい。

それでどうしようかなんて

ひとまず考えていなけれど。

 

 

もしも反撃に出るならば

その前に武器を揃えておこう。

負けてはいけない。

 

戦うならば私はまだ、

気づいてないフリをして

もっと多くの強い証拠を集めるべき。

 

 

そう思えた。

 

 

今は女優になればいい。

 

心を殺してタクヤを油断させよう。

 

 

本当は、反撃などできないくらいの

制裁を与え、

2人を陥れたいとさえ思う。

世間に恥をかかせてしまいたい。

 

 

私は冷静だと言いながら同時に

自分のメンタルが

崩壊しているようにも感じた。

 

 

 

でも、かまってはいられない。

 

何より

命より大切なわが子がいる。

 

守らなきゃいけない。

 

私はこの子を守るために

これから立ち上がらなければいけない。

 

そんな気持ちが強かった。

 

戦い方はこれから決める。

 

だけど、戦うと決めた。

したたかに。