​​登場人物

 

ミキ=私の後輩 33歳

広告代理店でトップの売上を上げるパワーウーマンだった。

後に夫となる後輩のタクヤに出会う。最初こそ幸せだったが

結婚後すぐにタクヤの借金・不倫が発覚しDV・嘘・モラハラが

加速してゆく。

 

タクヤ=ミキの夫 27歳

有名企業に勤めてはいるがその実態は・・

娘 =ちびミキちゃん 2歳

 

和歌子=タクヤの不倫相手 34歳

 

 

 

私が和歌子に電話する理由。

 

その思いは一つだけ。

 

ミキをタクヤのDV被害から

引っ張り出したい。

 

 

和歌子のことは正直まだ

どうも思わない。

 

 

ミキはもちろん和歌子に

嫌悪感を抱いていることも

多々あるだろうし

恨んでもいるはずだ。

 

 

 

 

でも今の私は

ものすごく言い方おかしいが

誤解を恐れずに表現するとすれば

 

 

「タクヤと不倫してくれて

 ありがとう!!大変だったね。

 早くあいつを引き取って!

 今後は好きにして!」

 

 

 

 

 

の言葉しかない。

 

 

 

 

 

さぁ。

 

 

私が急に電話をしたところで

筋書き通りにいくかはわからない。

流れは頭の中にだけ。

 

メモも何もない。勢いしかない。

 

 

だけど私は電話する。

 

 

 

 

 

休日の午後。

 

 

 

 

 

私はパンダ夫に娘を預けた。

夫も事情は全て知っている。

 

 

 

 

 

「今から外の公園で

 爽やかな風にあたりながら

 和歌子さんに電話してくるね。」

 

 

 

 

 

その日、2月にしては暖かかった。

 

私はマンションを出て

すぐ傍にあったベンチに座り

 

手の届く距離にあった

草木の葉っぱに触れたりしながら

和歌子の番号にコールした。

 

 

 

非通知設定にはしない。

 

 

私の番号を伏せる理由が

思い当たらないからだ。

 

こちらは

逃げ隠れする立場じゃない。

 

 

 

それに電話番号がわからないと

今時まず電話にも出ないだろう。

 

 

・・・20秒くらい鳴ったが

出なかった。

留守電にもならなかった。

 

 

 

なんだ、出ないのか。

 

 

ふーん。

 

 

 

少し拍子抜けして

ベンチに座ったまま

ひとまずミキにLINEする。

 

 

 

私LINE

「電話、かけてみたけど出なかったよ。

 まぁ気づいてないってことも

 あるだろうから、

 また後でかけてみるよ」

 

 

 

ミキLINE

「ごめんね、ありがとう。」

 

 

 

私の報告を、

緊張して待っていたのはミキだろう。

 

この話の内容次第で

今後の運命が

変わるかもしれないのだから。

 

 

 

と、その時、携帯が鳴った。

 

 

和歌子からだった。

 

 

 

 

 

 

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今最も大切なのが手洗い。

最近、一番買って良かったのが

ノータッチハンドソープ

娘と一緒に使っています。