登場人物
ミキ=私の後輩 33歳
広告代理店でトップの売上を上げるパワーウーマンだった。
後に夫となる後輩のタクヤに出会う。最初こそ幸せだったが
結婚後すぐにタクヤの借金・不倫が発覚しDV・嘘・モラハラが
加速してゆく。
タクヤ=ミキの夫 27歳
有名企業に勤めてはいるがその実態は・・
娘 =ちびミキちゃん 2歳
和歌子=タクヤの不倫相手 34歳
結局、結婚式の費用はどうしたか。
それは想像の通り
ミキが工面した。
ミキのご両親も当初の予定より
多めに出してくれたそうだ。
ミキだってこんなこと
自分の両親になんて
話したくなかっただろう。
これから幸せになるはずの
大切にしてもらうはずの相手が
式の費用も払えなかったなんて。
私は思う。
というかもう確信している。
タクヤはきっと
最初から支払うつもりはなかった。
絶対にミキが
どうにかしてくれると思っていた。
だって俺はお金ないんだもん。
そんな俺をミキは
守ってくれるのが当然なんだし。
守ってくれないんだったら
俺、あばれちゃうよ。
そんなタクヤの心の声が
私には聞こえる。
私はミキに言った。
私
「こういう場合、
なんとしてもお金を工面してくるのは
タクヤの仕事だよ。
なんでミキが工面してるの?」
ミキ
「タクヤにも一応、
お金は借りに行かせたの。
でも審査が通らなかったの。
だからとりあえず私がなんとかしないと
式がなくなる上に、
キャンセル料払わないといけないから。」
こんなミキの姿を見ても
言葉を聞いても、タクヤが自力で
誰かにお金を借りることはなかった。
それは誰もが分かっていた。
借りられる友達はいないとは思うが
いないなりに、なんとかしようと
動いているそぶりもない。
だけどさらにおかしいのは
ミキはそんなタクヤから離れない。
逃げない。
それどころかもはや
私がするのが
当然かのごとく動いている。
あぁ間違いない。
タクヤはミキに肉体的DVだけではなく
精神的DVも始めている。
ミキは気づいてないけれど
周りも気づいてないけれど
きっとそうだ。
そうじゃないともうおかしい。
色々説明がつかない。
DVについて調べて見た。
悲しいくらい
当てはまることばかり。
きっとこれからミキには
困難が待っている。
DV被害者、つまりミキは
周りがなんと言っても
よほどのことがないかぎり逃げられない。
逃げようとしない。
むしろ逃げたとしても
またタクヤのところに戻るだろう。
それがこのDV被害の
怖いところであり難しいところらしい。
だけどどうしたら?
何かきっかけでもないと
2人を引き離せない。
そんな時に
和歌子の話が降って湧いたのだ。