登場人物
ミキ＝私の後輩 33歳
広告代理店でトップの売上を上げるパワーウーマンだった。
後に夫となる後輩のタクヤに出会う。最初こそ幸せだったが
結婚後すぐにタクヤの借金・不倫が発覚しDV・嘘・モラハラが
加速してゆく。
タクヤ＝ミキの夫 27歳
有名企業に勤めてはいるがその実態は・・
娘 ＝ちびミキちゃん ２歳
和歌子＝タクヤの不倫相手 34歳
ミキの口から
ついに和歌子の名前が出て
フリーズするタクヤ。
その焦った表情は隠せなかった。
普段のタクヤなら
家の中ならキレたかもしれないが
今は公共の場。
タクヤは人前だと
攻撃的な部分を隠すのだ。
やはり外で
話し合うことにして正解だった。
よし、今なら言える。
ミキは落ち着いた口調で話し始めた。
ミキ
「結婚したら恋愛してたいって
私にはもう
恋愛感情がないってことよね。
そりゃあそうだよね。
新しい彼女がいるんだから。
回りくどい言い方しないで。
この数ヶ月タクヤは
家族そっちのけで
恋愛してたわけでしょ。」
タクヤ
「・・・」
ミキ
「これだけ自由な生活をしておいて
私が気がつかないとでも思ったの？
恋愛っていうか、不倫だからね。
認めてよ。
付き合っている人いるでしょ。」
タクヤ
「……いない・・」
ミキ
「いや、嘘つかないでよ。
彼女いるじゃん」
タクヤ
「もう会ってない。」
認めるのはやーー。
光の速さで嘘つくー。
もう会ってないって、
彼女がいたことをまず認めた上で
だけど現在進行形ではないなんて
本当に、往生際が悪い。
もうバレているのに。
これからまだ嘘つくつもり？
だって
昨日も会ってましたやん。
朝帰りしましたやん。
ミキ
「会ってないなんて
今更信用すると思う？
そもそも実家を
アリバイにしようとしていたけど
ほとんど帰ってなかったよね。」
タクヤ
「探偵を雇ったのか？」
あぁもう、本当にバカだ。
ミキ
「あのさ。そんな無駄なこと
するわけないじゃん。
自分の行動がどれだけ
おかしかったかわからないの？」
タクヤ
「俺はただ、結婚生活するなら、
恋愛関係が続かないと
難しいと思っただけだよ。」
予想通り。
話をすり替えようとしている。
タクヤはやはりもう随分昔から
話の通じない
宇宙人になっていた。
お花畑の住民がもれなく
そうなるやつに。