​登場人物

 

ミキ=私の後輩 33歳

広告代理店でトップの売上を上げるパワーウーマンだった。

後に夫となる後輩のタクヤに出会う。最初こそ幸せだったが

結婚後すぐにタクヤの借金・不倫が発覚しDV・嘘・モラハラが

加速してゆく。

 

タクヤ=ミキの夫 27歳

有名企業に勤めてはいるがその実態は・・

娘 =ちびミキちゃん 2歳

 

和歌子=タクヤの不倫相手 34歳

 

 

 

 

ミキとタクヤの結婚式。

 

 

それは、チビミキちゃんが

1歳を過ぎてから行われた。

 

 

結婚披露宴というよりは

フランクな形式のパーティー。

 

しかしその2週間前に

両親の経歴の

嘘が発覚する以前でも

私の心配事はいくつもあった。

 

 

 

実は2人は数ヶ月前に、

結婚式を一度

延期していた。

 

 

その時、式場はすでに

都内の有名ホテルで決定していたが

 

毎日仕事が多忙すぎるミキを

一切サポートしないタクヤ。

 

 

この式場で結婚式をしたいと

そう決めたのはタクヤなのに。

 

まだ1歳の

ちびミキちゃんを抱えながら

ミキ1人では、

式の準備など間に合わない。

 

 

それでもそんな中で

前撮りしたという

2人の和装姿の写真。

 

それはそれは立派に撮れていて

写真の中の2人はとても

幸せそうだった。

 

 

この表情を見ている限りでは

タクヤだって式に

乗り気じゃないはずはない。

 

 

ただただ、手伝わないのだ。

 

 

 

その時の私はミキに、

正直に言った。

 

 

 

「もうそんな温度差がある人と

 結婚式するなんて

 やめた方がいいんでは?

 

 ひとまず今はね。

 

 

 っていうか、

 タクヤってお金ないよね?

 お金ないのに、

 そんな立派な式場大丈夫?

 

 まさかとは思うけど

 ミキが全部

 出すわけじゃないよね?」

 

 

 

 

ミキ

「うん、お金は…

 タクヤにはない。

 

 だから俺の親父が半分出すって。

 一応義父は経営者だし。

 (後から嘘とわかったけど。)

 

 だから私は、

 前金だけ払ったの。」

 

 

 

「前金、払ったの??ミキが?」

 

 

 

いやまぁ、結婚式のやり方は

その夫婦それぞれ。

 

 

2人で貯金して

出し合うところもあれば

親が全て払うところもある。

 

 

女性側が多く払うということだって

2人が納得しているなら

おかしい話ではない。

 

 

 

でも・・・

 

 

 

 

ミキ

「準備手伝わなくてムカつくし

 式のことで

 喧嘩もするんだけどさ・・

 

 やっぱり急に子供ができて 

 心配かけちゃって…親にだけは

 ドレス姿見せてあげたいんだ…」

 

 

 

「まぁそりゃあ・・そうだね・・

 

 その気持ちはわかるよ。

 

 

 でも…お金は義父が払うんだ。

 

 まぁ、タクヤには

 貯金もないんだし

 仕方ないか・・」

 

 

 

 

ミキと話しても、

私の胸のモヤモヤは

なぜか収まらなかった。

 

 

 

そんなこんなで

 

準備が押したために

延期となった日取りも決定し

 

式まであと1ヶ月となった時

 

 

 

 

ミキがかなり憤慨した様子で

私に電話をかけてきた。

 

 

 

 

 

ミキ電話

「ねぇちょっと聞いてよ!!」

 

 

 

私電話

「ど、どしたの?

 なんかものすごく怒って・・」

 

 

 

 

ミキ電話

「信じられない!!

 

 

 もう式まで時間ないのにあいつ

   自分の友達にも関係者にも

 

 

 誰1人、招待状

 出してないんだよ!」

 

 

 

 

 

 

・・は? 

 

 

 

今、なんて?