これからの物語の主人公
ミキ＝私の後輩 33歳
広告代理店でトップの売上を上げるパワーウーマンだった。
後に夫となる後輩のタクヤに出会う。最初こそ幸せだったが
結婚後すぐにタクヤの借金・不倫が発覚しDV・嘘・モラハラが
加速してゆく。
タクヤ＝ミキの夫 27歳
有名企業に勤めてはいるがその実態は・・
娘 ＝ちびミキちゃん ２歳
和歌子＝タクヤの不倫相手 34歳
ミキとタクヤの話し合いは
この週末と決まっていたが
ある日の夜
ちびミキちゃんを寝かしつけた後
いつもより早く帰ってきた
タクヤとミキは
リビングで向かい合う形になった。
もともと2人が仲良くなったのは
仕事の後のお酒の席。
晩酌をしながらだと、
普段よりお互い素直に話が出来るようだ。
ミキ
「ねぇ、今話題だけどさ
東出さんの不倫話。
あれって本当にひどいよね。
奥さんに対しても最低だけど
子供も三人いるのに
よくあんなこと出来るよね。」
タクヤ
「うん、そうだよね。」
ミキ
「不倫相手の女性だってさ、
あれだけ有名な夫婦のことなんだから
結婚してるって知ってるじゃん。
最初から騙してる男も
それはそれで最低だけど
知ってて近づく女は
さらに最低だよね！」
タクヤ
「うん、そう思う。」
ミキ
「地獄に落ちろ！くらい思うでしょ？
だってほんと、
傷つくのは子供達だよ。
私なら、旦那も相手も許さない。」
タクヤ
「そうだよな。うん。」
タクヤは力なく、
表情を変えないように
ひたすら頷いていたらしかった。
今回の話についてミキは
タクヤにカマを
かけたかったわけじゃない。
ワイドショーを見た主婦としての
世間話というか
そういう類を夫に話しただけだった。
だけどそれをタクヤは一体、
どんな気持ちで聞いていたのだろう。
そんな些細なやりとりを
合間にミキは
LINEで教えてくれるのだが
私の頭にふと疑問がよぎった。
私LINE
「ねぇ、ここ数日
タクヤが帰ってくるの早くない？
確かに前に和歌子とは
クリアになるまで会わない
って約束はしてたけど
だからって離婚するとかしたいとか
タクヤからミキには
何にも話しないんでしょ？」
ミキLINE
「うん、全然ない。いつも通り。
多分和歌子と会わないのは
給料日までお金ないからだよ。
会うとタクヤが奢ってはずだから。
そうやってずっと
見栄はってきたから
和歌子とはお金がないと
会えないはずなんだよね。
和歌子は絶対にタクヤが本当は
お金ないって知らないから。」
確かにそうなのだろう。
呆れたものだ。
家賃も生活費も払わず
家では全て
ミキのお金で買ったもので生活をして
自分の持ち物はブランド品で揃え
外では和歌子にお金を使う。
早く和歌子に
タクヤの正体を明かしたい。
だけどまだこの時は
私も勝手に動くわけにはいかず
本当にモヤモヤした時期だった。