これからの物語の主人公
ミキ＝私の後輩 33歳
広告代理店でトップの売上を上げるパワーウーマンだった。
後に夫となる後輩のタクヤに出会う。最初こそ幸せだったが
結婚後すぐにタクヤの借金・不倫が発覚しDV・嘘・モラハラが
加速してゆく。
タクヤ＝ミキの夫 27歳
有名企業に勤めてはいるがその実態は・・
娘 ＝ちびミキちゃん ２歳
和歌子＝タクヤの不倫相手 34歳
ミキがインスタ爆弾を投下したあと
程なくして、タクヤからLINEが届いた。
その内容は既読にしなくても
携帯のポップアップで十分読めた。
タクヤLINE
「ミキ、インスタ
非表示にしてくれ。」
ミキはそのLINEを開かなかった。
バカなタクヤ。
わかりやすいタクヤ。
さすがに今回は焦ったのだろう。
焦りすぎて、
ミキに理由の説明もなく
インスタ非表示を要求した。
でも、消さないよ。
だってなぜこちらが
タクヤの言いなりになるのか。
それに今更消したって
もう遅いですよ。
だって和歌子は
もうご覧になりましたよ。
それからミキはさらに
別の内容で
ストーリーをあげてみたが
タクヤも和歌子も、足跡がつかない。
ミキLINE
「今頃修羅場かな。
きっと和歌子に
責められてるだろうね。
年賀状まで送って、
逆ギレしたのに
前の家だってバレたわけだから。
和歌子もいいかげんに
タクヤが嘘つき男だって
どうして気づかないのかな。』
私はそのミキのLINEに
返事をした。
私LINE
「まぁ本当は
どこかで気付いてるけど
認めたくないんだよ。
それにしてもタクヤのやり方、
本当バカだよね。
その場を凌ぐだけの、浅い嘘。
今頃タクヤ
どういう嘘で丸め込んでるのかな。
ここまでくるときっと
和歌子は何を言っても
最終的に信じるだろうから
こうしてじわじわ少しずつ
お花畑から
引き戻していくしかないけどね。」
ミキLINE
「あ、次のインスタ
和歌子だけ見た。」
私LINE
「おぉ。」
ミキはもう一つとどめに
家族の話題を投稿していた。
内容は何気ない日常のこと。
もちろんその日、
タクヤは帰ってこなかった。
翌日タクヤからミキに
LINEの連投が始まった。
あくまでも平常心を装った風で
でも非常に切迫した様子で
タクヤLINE
「ねぇ、非表示にしてってば！笑」
なんども何度もなんども
「早く！」
「はよ」
「はよ」
自分は夜中から朝まで
既読にすらしないLINEなのに
ミキにはバカみたいに送ってくる。
ミキLINE
「どしたの急にwなんかあった？」
タクヤLINE
「前から言ってたじゃん（笑）
ほら、早くw」
（笑）で
なんとかマイルドに
下手（したて）に出て
インスタを消してもらうために
ミキのご機嫌は
損なわないようにと必死だ。
では、今度はその
（消したい理由の嘘）を、
今夜会ってから
ゆっくり聞き出すとしますか。
ミキにも和歌子にも
交互に取り繕うって、大変ね。
さぁタクヤ。
今度はどんな嘘の上塗りを
聞かせてくれますか？