登場人物
 

私=おもちゃのパンダ 38歳

一応企業の主任。ワーママ 1歳の娘あり。

 

これからの物語の主人公

ミキ=私の後輩 33歳

広告代理店でトップの売上を上げるワーママ

 

タクヤ=ミキの夫 27歳

有名企業に勤めてはいるがその実態は・・

娘 = ちびミキちゃん 2歳

 

和歌子=タクヤの不倫相手 34歳

タクヤと同じ企業に勤めるOL


 

 

チビミキちゃんの入院から3日目。

 

それは不倫の証拠が見つかって

4日目でもあるわけだが

 

最近タクヤが気持ち悪いほど
優しくなったそうだ。

 

こんなにわかりやすく

優しくなるなんて

 

やはり何かあったのは確実だ。


 

 

ミキはその様子を見て
今ならなんか

ボロが出るのかなと思い
年末年始のことを聞いてみた。

 

 

 


ミキ

「ねぇ、年末は

 年越し蕎麦とか食べたの?」

 

 

 

タクヤ

「いや、すき焼きだったよ。」

 

 

 

ミキ

「ん?すき焼き?年末に?」

 

 

 

タクヤ「うん。そうだよ」

 

 

 

ミキ

「あれ?だってその日は
 実家には帰らず
 このマンションにいたんでしょ?

 

 一人ですき焼き?」

 

 

 

 

タクヤ

「あ、いや、結局

 実家に帰った。」

 

 

 

 

ミキ

「そうなんだ。」


 

 

 

ミキはここで
これ以上この話題を

広げることはやめた。

 

 


今はチビミキちゃんも入院中で
 

毎日二人で

面会に行っている時期だ。

 

 

こんな時に要らぬツッコミを入れて
話がこじれたりして、

またタクヤに逆切れされたりするのは
得策じゃない。

 

 

 

今の

優しくて当たり障りない時期に
もう少し証拠を集めなければ。

 

 

 

例えこの不倫が

既に終わっていたのだとしても
もう引き下がれない。

 

 

 

 

ちなみに

この食事の話題について

 

どうしてミキが

これ以上聞くまいと

口をつぐんだのか。

 

 

それは実際ミキにタクヤから、


(今日は実家ですき焼きをした)


そう連絡がきたのは
 

 

年明けのこと。

 

 

 

つまり年末ではないし

すき焼きを一緒に食べていたのは

絶対に和歌子だ。

 

 

 

 

 

あぁ、

私がこの場にいたなら

 

こう突っ込んでいる。

 

 

 

「あのさ、年末にすき焼きして
 年明けもまたしたの?

 

 実家のお母さん・・・

 体調悪いんだよね?

 

 ついこの間

 いよいよやばいかもって言ったよね?

 
 わざわざ息子まで呼んで
 付きっきりの看病が必要なほどに。

 

 

 そのお母さんが
 起き上がって

 元気にすき焼き食べたの?

 

 お肉を美味しくいただいたの?
 

 すき焼き食べれる重病人って
 なんという病名ですか?」

 

 

 


突っ込みたいことは
いくつもあるのだが、

 

その日も翌日も
タクヤは娘ちゃんの病院に行って
面会時間が終わったら
ミキと同じ

このうちに帰ってきて

 

 

そして圧倒的に

 

 

携帯を触らなくなっていたようなので

ひとまずこの話は

保留にするしかないわけね。