ちびミキちゃんの熱が出て、

痙攣までして、

救急病院に向かったミキは

一人で本当に心細かったと思う。

 

 

それからすぐに

家に帰れたとはいえ

タクヤは帰ってこない。

 

 

 

なんだよあいつ!

 

 

 

 

翌日その報告で

ミキから電話があったので

私のモヤモヤした気持ちは

直接ミキに伝えた。

 

 

 

私電話

「ねぇこんな時に

 タクヤが帰ってこないって

 おかしくない?

 

 実家だって、都内でしょ?

 帰ってこれるでしょ?

 

 親の容態が悪いって

 そこまで悪かったら、

 普通嫁のミキも呼ばれるでしょ?

 

 もっとタクヤに今、

 追求出来ないの?しないの?

 

 実家の親のところに

 電話してみたら?

 (タクヤいますか)って。

 

 ミキから連絡があったことは

 黙っといてもらえばいいじゃない。

 確認するだけでもしてみたほうが・・」

 

 

するとミキは言った。

 

 

 

 

ミキ電話

「うん、わかってる・・・

 

 私もそう思う・・

 

 だけどタクヤに聞きたくても

 電話には出ないし

 LINEは既読スルーになるだけ。

 

 それにもし

 本当に実家にいた場合

 親に電話したのがバレたら

 俺のこと疑うのかって

 タクヤが逆上するかもしれない。

 

 娘がこんなときに

 もめるのだけは避けたいの」

 

 

 

私電話「……」

 

 

 

 

ミキにそう言われてしまったら

私はどうしようも出来なかった。

 

だって一番歯がゆいのは

ミキ自身なのだから。

 

タクヤの身勝手さは

正論ではどうにもならない。

それほど暴走しているのだ。

 

 

しかしこんな状況で

ミキはタクヤに本当に今後

不倫の証拠を

叩きつけることが出来るのだろうか。

 

 

 

普段は自分の意見を

しっかり持っているミキ。

 

 

 

それがいつから

こんな風になってしまったのか。

 

 

 

この時は

タクヤのバカな行動について

 

「ああしてもらいなよ

 こうしてもらいなよ」

 

 

 

私は提案ばかりしてしまっていたが

そんなことが出来たら

もうとっくの昔に話し合えていた2人。

 

 

 

出来ないから

ミキは悩んでいたのだ。

 

 

 

 

そう、

 

この時すでにミキの精神状態は

崩壊していて

 

可愛い娘の存在だけで

やっとの思いで立っていたのだ。