その後、ちびミキちゃんの熱は
3日も間続いた。
それなのにタクヤは
実家で親の看病をしていると言い続け
帰ってこなかった。
信じられない。
許せない。
それでもパパを恋しがる娘のために
ミキは娘の様子を伝えたり
写真を送り続けた。
連絡は取れているが
ただそれだけ。
こんな時でもちびミキちゃんは
「パパはー?パパはー?」
無邪気にそう聞いてくる。
ミキは悲しみと怒り、
そしてちびミキちゃんのことが心配で
連日寝付けなくなっていた。
タクヤはミキにバレているとは知らず
ひたすら実家にいるフリをして
タクヤLINE
「大丈夫?こっちも
親がなかなか回復しなくて・・」
そんなことを言い続けているのだ。
最低。本当に、最低だ。
◆
明日はやっと、
タクヤが帰ってくるという。
夜になりちびミキちゃんの容態も
少し落ち着いてきた。
結局年末年始の休みをタクヤは
熱が続くちびミキちゃんと
1日も過ごさなかった。
それにしても、
その連休の最終日である明日、
ミキには外せない
大切な打ち合わせがあり
もともとタクヤが1人で
娘ちゃんを見る予定になっていた。
ミキがここ数日腹が立っていても
怒りをぶつけなかった理由は
仕事のためでもあった。
これで話がこじれると
タクヤはさらに
帰ってこないと言い兼ねない。
その日はミキがいないと
大事な商談がまとまらないのだ。
なぜこんな奴のために
ミキとちびミキちゃんが
我慢しなければいけないのか。
その日の夜の
タクヤからのLINEは最悪だった。
タクヤLINE
「ミキ、明日も仕事休めない?」
それを読んでミキも私も
怒りが収まらなかった。