その後、ちびミキちゃんの熱は

3日も間続いた。

 

 

それなのにタクヤは

実家で親の看病をしていると言い続け

帰ってこなかった。

 

 

信じられない。

 

 

許せない。

 

 

 

それでもパパを恋しがる娘のために

ミキは娘の様子を伝えたり

写真を送り続けた。

 

連絡は取れているが

ただそれだけ。

 

 

こんな時でもちびミキちゃんは

「パパはー?パパはー?」

 

無邪気にそう聞いてくる。

 

 

 

ミキは悲しみと怒り、

そしてちびミキちゃんのことが心配で

連日寝付けなくなっていた。

 

 

 

タクヤはミキにバレているとは知らず

ひたすら実家にいるフリをして

 

 

タクヤLINE

「大丈夫?こっちも

 親がなかなか回復しなくて・・」

 

 

 

 

そんなことを言い続けているのだ。

 

 

最低。本当に、最低だ。

 

 

 

 

 

 

 

明日はやっと、

タクヤが帰ってくるという。

 

 

夜になりちびミキちゃんの容態も

少し落ち着いてきた。

 

 

結局年末年始の休みをタクヤは

熱が続くちびミキちゃんと

1日も過ごさなかった。

 

 

 

それにしても、

 

その連休の最終日である明日、

ミキには外せない

大切な打ち合わせがあり

 

もともとタクヤが1人で

娘ちゃんを見る予定になっていた。

 

 

ミキがここ数日腹が立っていても

怒りをぶつけなかった理由は

仕事のためでもあった。

 

これで話がこじれると

タクヤはさらに

帰ってこないと言い兼ねない。

 

 

その日はミキがいないと

大事な商談がまとまらないのだ。

 

なぜこんな奴のために

ミキとちびミキちゃんが

我慢しなければいけないのか。

 

 

その日の夜の

タクヤからのLINEは最悪だった。

 

 

 

タクヤLINE

「ミキ、明日も仕事休めない?」

 

 

 

 

それを読んでミキも私も
怒りが収まらなかった。