お正月でも仕事を抱えていたミキは

昼夜問わずちびミキちゃんには

つきっきりで

看病と仕事をこなした。

 

 

それなのに、自分は正月休みで

時間のあるタクヤは

 

なかなか帰ってこれないどころか

ミキに対して、明日も仕事を

休めないかと言ったのだ。

 

 

タクヤはその間

実家の親の容態が悪いと嘘をついて

和歌子といるだけじゃないか。

 

それなのに、帰ってこない?

 

 

 

ミキは

いろんなことを言いたい気持ちを抑えて

実際は元気なはずの

義母の心配をした。

 

 

 

すると

「大丈夫。

 じゃあ、明日の朝帰るよ。」

 

 

 

そう返事が来た。

 

 

そしてその返事のあと、

ミキから送ったLINEは

翌朝になるまで

未読のままだった。

 

 

 

 

その時私は思った。

 

和歌子はきっと、

タクヤが既婚者と知っている。

 

 

 

だから、

家庭に戻ろうとするタクヤを

引き止めているのだ。

 

この勘は

外れていない気がする。

 

 

 

翌朝やっと既読になったが

それはもうミキが本来

出勤する時間。

 

 

念のために

午後からの出勤にしていたミキは

居てもたってもいられず

 

朝になってもまだ

熱が下がらない娘ちゃんを

改めて検査をしてもらうために

病院に連れて行った。

 


 

タクヤが帰ってきたのは

午前10時を過ぎていた。

 

 

そのまま病院に来てもらった。

 

 

 

どこまで彼は

最低なのだろうか。

 

 

これがいわゆる

お花畑と言われる男の

頭の中なのだろうか。

 

 

もう、それでもいいから

どうか早く

ミキと別れてくださいよ。

 

 

 

 

タクヤが病院に来た

そのタイミングは

まだ長い待ち時間の途中で

検査も始まってなかったが

 

ひとまずタクヤに

ちびミキちゃんを預け

数時間だけ、会議のために

抜けることになった。

 

 

 

しかしその会議の途中、

ミキはLINEを読んで

慌ててまた、

病院に戻ることになる。

 

 

 

 

それは、

 

血液検査の結果で

 

 

ちびミキちゃんは

1週間の入院となってしまったのだ。