私=おもちゃのパンダ 38歳
一応企業の主任。ワーママ 1歳の娘あり。
これからの物語の主人公
ミキ=私の後輩 33歳
広告代理店でトップの売上を上げるワーママ
タクヤ=ミキの夫 27歳
有名企業に勤めてはいるがその実態は・・
娘 = ちびパンダ 2歳
和歌子=タクヤの不倫相手 34歳
タクヤと同じ企業に勤めるOL
私たちはすでにその時
家賃や生活費のほとんどを
育休中のミキ1人が
支払っていることも多いのだと
知っていた。
タクヤが稼ぎを支えているのなら
お祝い事に
こうしてご馳走してくれることは
喜んで受け入れたいが
けれど彼は普段、収入に見合わないほど
金遣いが荒く
自分の好きなものにばかり
お金を使ってしまうということを
前々から聞いていた。
お金の管理の仕方は
夫婦それぞれだが
とにかくミキ夫婦の財布は
別々なのだ。
(この4万円を
ミキに渡す生活費の
一部にしようと思わないの?
ここの支払いが出来るくらいなら
どうしてミキに
生活費を渡さないの?)
パンダ夫
「それじゃあごちそうさまです。
ありがとう。美味しかったよ!
またこのお礼も兼ねて
今度は違う場所で飲もう!」
まずは私の夫が、二人にそう告げた。
ミキは抱っこ紐で抱えた
チビミキちゃんを
大切そうに抱きしめながら
また申し訳無さそうな顔をしていて
隣でタクヤも頭を下げた。
私とパンダ夫が、そこからほど近い
タクシー乗り場に向かう道すがらも
二人はついて来てくれた。
その間タクヤは
妊婦である私の体を気遣うような
声をかけてくれるタイミングもあったし
パンダ夫と談笑したりして
普通に楽しかった。
それから、ミキたちと別れ
タクシーの車内で夫と二人。
パンダ夫
「タクヤくん ・・俺は
いいやつだったと思うけど
どう思う?」
私
「…うん。まぁ私は
ミキから時々心配要素があることも
聞いているからね、
一言で(いいやつ!!)
とは言えないけど
ひとまず今日は
みんなで楽しめて良かったかな。
ミキに相談なく
ご馳走するって言い出したのは
多少疑問が残るけど。」
パンダ夫
「まぁまぁ。
今日は夫婦喧嘩で
遅れてきたわけだからさ
バツの悪さもあって
お詫びの印だったんじゃないか?」
私
「まぁ、確かにね…
でもミキにとってみたら
たまったもんじゃないわけよ。
まずうちにお金入れてよって。
私が逆の立場だったら、
その場であなたに
言ってしまいそうだけど
雰囲気を崩さないために
言わなかったミキは偉いよ。
すごい。」
パンダ夫
「でもさ、話した印象も
悪い感じじゃなかったし
娘ちゃんのことも
随分可愛がってたじゃん。
金銭感覚のことは若いからまだ
独身時代のままなんじゃないか?
ミキちゃんにとっては
迷惑な話だろうけど。」
私
「うん。ミキが選んだ人だからね
悪い人じゃないだろうなとは
私も思いたいけど・・。
だけどお金のことは
もっとちゃんとしてくれないかなって
つい思っちゃう姉心だね。
ミキのこと
困らせないで欲しいじゃん。」
そんな会話をしながら
私はそのタクシーの中で
ミキへLINEを送った。