登場人物
私=おもちゃのパンダ 38歳
一応企業の主任。ワーママ 1歳の娘あり。
これからの物語の主人公
ミキ=私の後輩 33歳
広告代理店でトップの売上を上げるワーママ
タクヤ=ミキの夫 27歳
有名企業に勤めてはいるがその実態は・・
娘 =ちびミキちゃん 2歳
過去のタクヤからの暴力や浮気、
金銭感覚の違い。
ミキは結婚してからずっと
そのことを誰にも言えず、
一人、我慢していた。
しかし、そんなこともあり
私たちと食事会をしたその日の争い事に
もう限界だと感じたミキは
このままでは
娘にも危害が及ぶと感じ
すぐに警察に電話をしようとした。
タクヤ
「おい!!
どこに電話するんだよ!」
最初は力ずくで携帯を取り上げられ
また引きずられた。
ミキはこの時のチビミキちゃんの
驚いて泣き叫ぶ顔が
今でも脳裏に焼き付いて
トラウマになっているという。
それでもミキは隙を見て
やっとの思いで警察に電話をし
彼女たちが住む
タワーマンションには
数分で警察官が駆けつけた。
すぐに警察署に移動となり
夫婦別々で
事情聴取を受けることになった。
署では二人の出会いから
今に至るまでのことを聞かれる。
そして今回
なぜこんな喧嘩になったのか
その理由や彼の暴力行為の詳細。
そしてミキが
今後どうしてゆきたいかの
意思確認まで行われた。
それが書面になり
警察に記録として残るらしい。
ミキはそこで、
警察官の方に言った。
ミキ
「夫の暴力は、
今回だけのことではないので
今度また
同じようなことがあったら
もう次はないと警察から
夫に忠告してください。」
私(え・・・)
その話を聞いて
私は納得出来なかった。
次はない、ではなくて
「今回のことでもう
夫婦は終わりです。
接近禁止にして下さい。」
ではないの?
これじゃあまるで
警察まで巻き込んで
だけど夫婦喧嘩で終わりました。
という結末になるのでは?
そう思っていたのは
どうやら私だけではなかったようだ。
警察署では、別々に事情聴取をされた
ミキとタクヤ。
聴き終わって警察官はミキに言った。
警察官
「こんなこと言ってはなんですが
もう、離婚されてはどうでしょうか。
ミキさんは経済的にも
自立しておられます。
育休が明けて仕事に復帰したら
十分稼げるようですし
母子家庭になったとしても
今よりはきっと幸せになれます。」
ミキからそれを聞いた私は
警察官の言葉に激しく同意した。
一方タクヤの方はというと、
タクヤ
「もう反省しています。
こんなこともうしません。」
そう言ってやたら冷静に
よそ行きの顔を見せたようだが
警察官は見たのだ。
水浸しの床やずぶ濡れのミキ。
そして、荒れ放題の部屋と
泣き止まない、チビミキちゃんを。
警察官
「この辺りのホテルか
ご実家が近いのなら
今日はそちらに泊まってください。
タクヤに今日は
ミキと同じ自宅に帰らぬよう告げた。
話を聞き終わり、私はミキに言った。
私
「ねぇミキ
警察官からの意見だけど
誰もがそう思ってるよ。
タクヤとはすぐに別れた方がいいよ。」
ミキ
「うん、そう思う。
なんかそう言ってもらえて
自信ついた。」
私「……」
なぜだろう。
私はこの時
(このままでは、
ミキはタクヤと別れない。)
そう思った。