私は、自衛隊でお仕事をしていた時期があります。

 

防衛省の保険関係のお仕事で、陸自に所属していました。

 

でも、その前に、私は、中国で日本語教師をしてきていました。

 

これは、私の中では、国際貢献のつもりでした。

 

しかし、自衛隊では違いました…。

 

敵国で母国語を教えるとは何ぞや!

 

けしからん!

 

となったのです…。

 

私は、当初意味が分からなかった…。

 

国境を越えて、誰とでも仲良くできるのが、私の良いとこだと思っていました。

 

自衛隊の考えというのは、あまりにも右寄りで、

 

時についていけなかった…。

 

そればかりか、後に、隊長と結婚する事を考えて、自衛隊の結婚調査で、

 

私の経歴書を提出したのですが、これも面倒な事になってしまいました…。

 

私が、中国で日本語教師ってのが、幹部自衛官の嫁の経歴としては、

 

問題アリと言われました。

 

「?」

 

「あなたの教え子が、一人も人民解放軍に入隊してないって断言できるのか?」

 

言われました…。

 

(あの子たちじゃ無理だよ)

 

私は内心思っていました。

 

私が教えてきたのは職業訓練校。

 

日系企業に将来勤めたい人や、

 

現在勤めてる人に教えてきました。

 

私はビックリしすぎて、言葉を失っていました…。

 

日本語教師って仕事が、自衛隊からはスパイ養成って思われるんだ…。

 

そして、嫁としての私の判定があるんですけど、

 

優・良・可・不可で判定が出ます。

 

私は「可」でした…。

 

隊長から「可」だったと聞かされて、もう本気で泣きました…。

 

この「可」という判定は問題ありという事です。

 

良い判定ではないのです。

 

一応私は、純粋な日本人です。分かる限りでは。

 

日本人から、日本人であることを否定されるのは、

 

当時の自分には相当な侮辱でもありました。

 

すごい悔しくて、悲しくって、この悲しみを誰にも相談できずに、

 

うつ状態は暫く続きました。

 

生徒の卒業記念の集合写真より(NGOスタッフとして中国・江蘇省での日本語教師時代の私)

 

大好きだった中国でよく着てたチャイナ服を捨てました…。

 

日本に帰ってからも大切にタンスにしまっていましたが、自分の何もかもを

 

否定された気でいました。

 

そして、私が嫁になったら、将来の隊長のお仕事に制限がかかる可能性が

 

あるとも言われました。

 

隊長は空自で、飛行機のお仕事です。

 

飛行機はテロにも警戒しなきゃならないし、とにかく身辺検査厳しいです。

 

私ってスパイ?

 

この一言が隊長には言えず、悶々とした日々でした。

 

この事が引っ掛かり、

 

上司に移動願いを申し出ましたが、

 

上司からは、

 

「田中さんは別に悪いことないのだから、堂々と仕事しなさい!」

 

と励まされ、毎日送り出してくれました。

 

当時は、ここで責任ある仕事を任されていたので、簡単に辞退できませんでした。

 

ただ、結婚に関しては、私は、深い部分で、

 

これ以上望まなくなっていったような感じでした…。

 

自衛隊を去った今、安堵の気持ちでいっぱいでもあります。

 

世界で一番幸せな国、『ブータン』を知っていますか?

 

『ブータン』は軍隊を持っていません。

 

でも、軍隊を持っていないから、近隣の中国に少しずつ領土を奪われています。

 

これはとっても悲しいこと…。

 

今の時代、国防はなくてはならない時代でしょう。

 

日本は、国家予算を、もっと国防費に費やさなきゃならない。

 

米軍は守ってはくれない。

 

自衛隊にいたから、それはよく分かっています。

 

でも、私自身は、国際平和の貢献ならば、軍隊ではない方向で力になりたい。

 

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