私は意識不明と言われていたけれど、うっすらと意識はあったり、なかったりでした。
隣のベットのおばさんが亡くなったのが分かりました。
 
(あっ、よこのおばちゃん、しんじゃった…)
 
それから、私は眠りに落ちて夢をみているようでした。
この時の夢の中での事ははっきり覚えています。
 
川の前に立っていました。
川は、水が透明で、今までで見たどんな川より綺麗でした。
私は裸足でした。
左足を水につけたら、
冷たくない…。
 
向こう岸まではそんなに遠くはありませんでした。
 
(あるいてわたれるのかな?)
 
そう思いました。通い始めたばかりの幼稚園はお友達がなかなかできず楽しくなくて
そっちに行きたい心地でした。
 
「まだこっちに来たらダメ!!!」
そう言われた感じがしました…。
私は渡るのをあきらめ、左足を水から引き上げました。
 
「まいこ、まいこ、まいこー」
と色んな人が呼ぶ声で、目をあけました。
 
そしたら、お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんが私の枕元にいました。
みんなは泣いていて、私が起きたら喜んでくれました。
 
それからすくすく元気になって、足もくっついてくれました。
歩行訓練のリハビリもがんばりました。
ドクターも看護婦さんもとてもやさしくて
「おおきくなったら、かんごふさんになるー」
病院で約束したのに、なれなくって、先生ごめんなさい。
 
私は小6まで念のため病院で脳のCTを撮られていました。
中学校を卒業する時、命の恩人のドクターは、お祝いにと趣味のトランペットを演奏しに
中学に来てくれました。
私は、久しぶりに先生にお会いできて嬉しかった。
けれど、照れくさくて、ご挨拶もお礼も言えずでした…。
 
あれから、私は引っ越しして、当時の病院の経営は変わってしまったと聞きました…。
 
今頃、先生はどこにいるんだろう?
きっとまだ元気に暮らしていてほしいです。
 
そして、
先生のおかげで、ちゃんと大人になれましたありがとう!
って挨拶がしたいです!つながるうさぎ