私は、とても眠くなり、そのうちに意識を失いました。

 

ドクターは母に

「娘さんは意識不明の重体、この三日がヤマです」

と告げたそうです。

そうです、私は余命3日でした。

間もなくすると、父が会社から病院に駆け付けてくれました。

 

私は出血がひどく、生き物は体の3分の1血液を失うと死ぬと言われますが、

もうギリギリでした…。

 

私は父と同じB型です。

 

ドクターは、

「お父さんの血液をもらって、子供だから薄めましょう!」

と父の血液を採取しました。

そして医療用の生理食塩水を混ぜて私の体に入れたのです。

 

私はラッキーでした!父から血をもらえたからです。あの時赤十字の血液を投与されたら

C型肝炎をもらっていた可能性があったのです。

 

当時、赤十字は非加熱の血液でした。これにより日本は輸血によるC型肝炎犠牲者を沢山だしています。私は大人になって保険会社で働いていましたので、日本人の輸血によるC型肝炎犠牲者の多さに、本当に胸が痛みました…。

 

戦後、日本の医療の大失態です。

赤十字の非加熱血液製剤によるC型肝炎は当時、全病院がリストに上がりました。

全ての病院で赤十字の血液を輸血に使うからです。

私が治療した病院もモチロン対象にあがっていました。

 

しかし、あのドクターの判断は賢明でした。

赤十字の血液は使わない選択をしたからです。

もしかしたら先生はこのことを既にご存じだったのかもしれません…。

 

(つづく)