このブログも7回目!!
お読み頂きありがとうございます❗
世間はマンボーマンボーで(漫画喫茶だったらいいのに)
悲しくなってきますが、めげずに勉強も続けていこうと思います!
さて、またまた、ウイスキーコニサープロフェッショナル資格試験より製造の問題。
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【問】モルトウイスキーの糖化工程について
A.用いられている糖化方法は?
B.三番麦汁を得る際、80℃以上の湯で
スパージングを行うのが一般的である。
麦芽の酵素は75℃を超えると失活するが
ここで高温の湯を投入するのは何故か?
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まずは、ウイスキーの製造工程をおさらいしましょう!
【ウイスキーの製造工程】
製麦⇨糖化⇨発酵⇨蒸留⇨熟成 |
簡単にまとめると、ウイスキーの製造工程は上記の通りです。
発酵の段階で、酵母が糖を食べてアルコールを作り出し、蒸留の段階で美味しいところだけを抽出し、熟成によって洗練させるというイメージ。
では、発酵工程の前の糖化では何をするのでしょうか?
次で見てみましょう!
【糖化とは】
前述のように、酵母が食べてアルコールを作り出すのですが、デンプンそのままでは食べてくれません。まずは、デンプンをもっと小さくカットして、糖にしなければなりません。
麦芽中のデンプンやタンパク質を可溶化し、発酵性糖類やアミノ酸などに生成するのです。
つまり、糖化とは、この酵母のための食事の支度なのです。
【糖化方法】
糖化には、ワンステップ・インフュージョン法とツーステップ・インフュージョン法があります。
また、煮沸させるデコクション法がありますが、そちらは、主にビールを製造する場合に採用されています。
ビールの製造工程
ウイスキーの製造における糖化方法はワンステップ・インフュージョン法を使用します。
これは、マッシュ(温水と麦芽の混合物である粥状のもの)を設定温度に保った状態で麦芽の抽出を行う方法。
最初の温水は65℃を基準に生産者ごとに酵素が働き易い温度に設定し、その後はより高い温度で抽出を行います。
インフュージョンとデコクションの違いが試験に問われた事もあるそうです。
ワンステップインフュージョン法は、短時間で処理が可能、設備も簡易で済みます。
ツーステップインフュージョン法とデコクション法は時間はかかりますが、タンパク質を分解してにごりの少ない麦汁を得られます。
鍵は、酵素活性に適した温度が63-65°C 温度だという事!!
糖化する際、温度が高ければ、酵素がフルパワーで動いていないので、非発酵性のデキストリン(酵母が食べられない5〜6糖類)が残ります。
よって、出来上がりのウイスキーはフルボディになり、低温で処理すると、逆にライトボディになるそうです。
また、ウイスキーの糖化では、煮沸殺菌は行いません。
これにより、乳酸菌なども生き残っていて、発酵の時重要な役割を果たしてくれるのです。
長濱蒸留所 ポットスチル
【スパージングとは】
*動画*
ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所の糖化工程において麦芽中の糖分をもれなく回収する為のスパージング(お湯をスプレー状に注ぐ)をしているところ
スパージング水の温度は、85°Cを超えるまで上げられるので酵素は失活します。
※酵素活性適正温度は65℃
また、問題文にある三番麦汁は通常次のロットの仕込み水に回されます。
なので、酵素が力を失っていても問題ありません。
(次のロットの時には勿論、新しい麦芽が投入されるので、酵素の事を考えなくても大丈夫です。)
それよりも、麦汁の糖分をもれなく回収することが重要なのです。
以上のことよりまとめます!
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【回答】
A.ワンステップ・インフュージョン法
B.三番麦汁は通常次のロットの
仕込み水として使用される。
よって、酵素力よりも、残っている糖分を
もれなく回収しなければならないから。
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