「最新 ウイスキーの科学 熟成の香味を生む驚きのプロセス Vol.2」 | PianoとWhiskyの店MaiMai

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好き勝手書かせて頂きます!!

前回記事の続きです❗️
大麦に芽を出させた後どうするんでしょうか?
美しい琥珀色の飲み物にするまでには、まだまだ長い道のりがあります。

【醸造の不思議】

製麦工程の次は醸造!
これは、仕込み工程と発酵工程を合わせたもの。人は微生物の存在を知らない頃から、偶然の発見などにより、酒だけでなく、みそ、チーズなどを作ってきました。
 
その劇的な変化には、逐一驚いた事でしょう。偶然の発見から酒を造り、現代、化学でそれらを解き明かし、ブラッシュアップされています。
 
ここでは、それらについて見ていきましょう。
 

《糖化》

仕込み工程では、次の発酵工程で酵母がデンプンを食べられるように、まず麦芽の分解酵素によってデンプンをマルトースなどに変える作業を行います。
 
最初に麦芽を荒く粉砕して 4 倍量の温水に入れます。
これを60 度~65 度に保つとデンプンが分解酵素の働きでカットされ、主に二糖類のマルトースが作られます。
 
このナイフである分解酵素にはαアミラーゼβアミラーゼの二つがあります。
 
それぞれ、αアミラーゼの適正温度は 65 度~67 度、βアミラーゼは52度~62 度なので、温度管理がここでも重要です。
これら仕込み作業を「糖化」とよび、酵母のお食事を作るのです。

糖化槽とその内部のレイキ(熊手状の撹拌翼)

《発酵》

さて、酵母のお食事の時間です。
酵母は先ほど糖化した、麦汁を栄養源として利用し、マルトースからエタノール(要するにアルコール)を生成します。
これが「発酵」です。
アルコール発酵には通常、学名「サッカロミセス・セレビシエ」という酵母が使用されます。
 
秩父蒸留所の発酵槽。槽の材料には、オレゴンパイン(米松)やステンレスを使うことが多いが、秩父は特殊で、ミズナラを使用している。
 
 
酵母は器用な生き物で、酸素がなくても生きていけます。
 
酸素がある時は、酸素を吸って、二酸化炭素と水に分解し、十分なエネルギーを獲得します。そして活発に増殖し、子孫を増やします。
一方で酸素のない時は、糖分を食べ、エタノールに変換させます。
なんて便利な生き物なんでしょう!
 
食べていたマルトースがへってくるとそれらの酵母は飢餓状態になって共存・死滅していきます。
 
大体この工程に費やすのは1~2日です。
(例外もあり。例えば秩父蒸留所では4日程行います。)
 
酵母死滅期に入ると次に登場するのが乳酸菌。
乳酸菌は酵母が利用できなかった糖質や死滅した酵母が体内に留めていた栄養成分を利用して増殖し、乳酸を生成します。
 
一般的に、発酵時間が長くなると、乳酸菌が増殖し、生成される乳酸も増えます。そして、まろやかな酒質になるといわれます。
 
このように、ウイスキー造りにおける発酵とは、酵母と乳酸菌という微生物コンビが香味豊かな発酵モロミ(発酵し終わった液体でアルコール度数6~7%)を作りあげてくれるのです。
 

アライド社 ラフロイグ蒸溜所の発酵槽。ステンレススティール製で、クリーニングが容易。

【まとめ】

酵母、乳酸の活躍はお分かり頂けたでしょうか?
ウイスキーの工程はまだまだ先があります。
次回は、蒸留について。美しきポットスチルについて、みていきましょう!
 
お楽しみに!

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