​手術当日

ついに手術当日。

この日がきてしまった。


5:00ごろ看護師さんに浣腸してもらう。


7:00ごろには歯磨きをして、ICUに持っていく荷物に最後歯ブラシを入れて、荷造り完了。


7:30ごろH先生が顔を出してくれる。

よろしくお願いしますおねがい


手術室への出発は9:00予定。

まだ時間はあるが、することがない。

落ち着かない…


9:00お迎えにきた看護師さんと移動開始。

点滴棒をガラガラ、自分で歩く。

病棟の食堂に待機している夫に会う。

食堂の入り口に立つワタシをパシャリスマホ

頑張ってくるよ「ピースチョキ


病棟と手術室、同じフロアなのであっという間に到着。

病棟の看護師さんから手術室の看護師さんへバトンタッチ。


手術室は『7』番。ラッキー7だ。

頑張ろう。いや、頑張るのはH先生か?(笑)

手術台に上がり、横たわる。フワフワのマットで暖かい。

あとはまな板の鯉で、H先生にお任せするだけ。

看護師さんたちが色々と準備を始める。

麻酔科の女医さん先生登場。

硬膜外麻酔の準備を始める。

本当にいよいよだ…不安からか、涙が出てきた…

気づいた看護師さんがそっと拭いてくれた。手を握って「大丈夫ですよ」と声をかけてくれた。

視界の端にH先生を見かけた気がするけど…あとはもう意識がない。




気づいた時にはICUだった。


寒い‼︎ とにかく寒い‼︎

ガタガタ震えて、止まらない。

看護師さんに「寒い」と訴えたいが、震えてしゃべれない。

気づいてくれて、電気毛布を用意してくれた。


「今、ご家族の方が見えますよ」

ベッドから見えた時計の針は16:00過ぎ。だいたい7時間。

…そっか…終わったのか…生きてる…ワタシ…

全く動かない体。

痛い。でもどこが痛いのかも分からない。


夫と妹が顔を出してくれた。


「頑張ったね。お疲れ様」

手術、どうだった? 取ったの、見た?

「術中検査で癌は出なかったよ。腸や胃は切らずにすんだって。腫瘍は、大きかった。赤ちゃんの頭ぐらいあったよ」

…良かった…癌じゃない…


自分の体が今どうなっているのか分からない。


この時のワタシの体には

・ドレーン3本

・尿道カテーテル

・エピ(硬膜外麻酔)

・点滴

・Aライン

・酸素マスク

・心電図

・血栓防止のフットポンプ

がついていたはずだけど、何がどうなっているか、全然分からなかった。


ただ動かない体で、うつらうつらと浅い眠りを繰り返しては、痛みで目が覚める。

その度に痛み止めを入れてもらう。

なかなか進まない時計の針を眺める。

長い長い一夜だった。