運送業の実態とこの国の事なかれ主義 | 仮想通貨や暗号資産、ビットコインに乗っかるニートおじさんのぼやき

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投資歴15年ちょっとのおじさんの日々。
株投資少し、暗号通貨市場をメインにしました。


専業生活からクソみてーな損をして再び兼業生活に戻り、また専業に戻り、を繰り返しています。

さて、9月頭から某中小運送会社に就職し、大型トラックに乗っている。
この会社は車両保有台数は100台を超える中堅企業だ。

以前にも書いたが、私は過去誰でも知ってる大手運送会社に5年半ぐらい在籍したことがある。

この会社は残業代を1分単位で支払い、有給休暇も完全に取得出来た。
というか、この国で商売をするならばこれは当然守るルールであり、労働者はそれを払われる権利がある。

これは単純に言えば契約であって、義理人情の話ではない。

しかし今の会社は入社前に分からなかった法律違反が絶望的に多数存在する。
例えば残業代が一円たりとも払われて居ないが、私は1日11時間程度拘束されている。
乗ってるコースによって違うが、同僚達の中では酷い人になると1日15h拘束される場合もある。
基本給と歩合給があるのだが、大体月間40万ぐらいの賃金だ。

がしかしだ。
20年前だと同じ仕事で大体60万ぐらいの賃金であった。
これを多いと感じるか少ないと感じるかは人によりけりだろうが、私がやっている仕事は20トンの重さがある13メートルのトラックを1日9時間程度運転し、残りの2時間ぐらいは積み込み作業などをしている。
休憩はだいたい1時間取れるが、週休は1日だ。

その事自体よりも恐ろしいのはこの労働条件で働いている我が社の90パーセントの顧客はこれまた誰でも知っている運送会社の傭車という立場だ。
傭車というのは、その名の通りトラックと人間をその企業に派遣するようなものだと考えて貰えば良い。

大型トラックを一台派遣してそれを運転する人間は当然最低1人は居なければならない。
それを12時間から15時間拘束して、我が社が受け取る運賃は大体3万円台後半程度だ。

私の給料は基本給が大体20万くらい。
+運賃の3割程度と思って頂ければよい。

運賃の3割でまぁ9000円から1万円程度の歩合+基本給だからさほど悪く無いと考える方も多いだろう。

がしかしだ。
本来これは当然ざっくり言うならば11時間労働ならば3時間分の、15時間の労働であれば7時間分の残業代を支払う義務がある。
しかしそうなると、仮に1台あたり4万円を雇い元運送会社から受け取ったと仮定すると、ドライバーの賃金が2万円ぐらい。
ちなみに私が乗っているコースは大体1日350キロぐらい走行する。
これは東京から名古屋に付く程度の距離だ。
つまり毎日東京から名古屋まで運転してそこにフォークリフトでの積み込みや荷物の出来上がりを待つ時間が加算される。
そうすると当然ながら8時間で終わるはずもない。

そしてこの350キロ程度の走行に掛る燃料は約100リットル。
今日の値段で考えても約1万円は燃料代が掛る。
賃金が2万円(残業代考慮せず)+1万円の燃料代+トラックの維持費+会社の利益。

これらを考えると間違いなく1台の大型トラックを運転手付きでチャーターするのは3万円台では不可能なのだ。
もしも私が残業代を貰うならば、例えば3時間でも4500円ぐらいは付いてしまう。
これをまともに払ったとすると、間違いなく雇い元の払う4万円程度で会社は運営不可能であるのは、雇元の大手運送会社は当然理解している。

何故なら私達はその雇元の指示で全ての業務をこなすからだ。

つまり、自社では大きすぎて労使問題が大きく発展することを避ける為に傭車という選択をしている。
自分の会社に車を揃えてドライバーを育ててまともに残業代を払うよりも、傭車を安く使い叩くほうが当然儲かるからだ。

しかしこの常態化した1日11時間や15時間の拘束は完全に雇い元の運送会社も理解しているし、これに対する責任が無いはずもない。

がしかし、数名の同僚と話をすると労基法など殆ど知らない人が大半だし、半ばあきらめて居るように思う。

そして大手運送会社はこれら傭車なしでは到底業務は回転させられない。
なぜなら、彼らの業務の90パーセントは傭車によって成り立っているからだ。

なぜ傭車ばかりを使うかと言えば、当然大型のドライバーは賃金も高いし、車両の維持コストも高い。
そうした時に安く手をあげる会社に仕事を投げる訳だ。
つまり皆さんの生活の基幹である物流というのは、法律違反を雇い先に強要する大手運送会社によって成り立っていて、その全てのしわ寄せは末端のドライバーに来る。
そして今、大型の運転手は極端に不足していてこれからもっと不足していく。

であるから仕事自体は途切れないが、まともに給料を払って会社を維持するだけに足る運送料をそもそも会社が貰えて居ない。
そして最大の問題はこれを大手運送会社は知りながら放置している事だ。

これは間違いなく過払い請求訴訟ラッシュの次に来るのではないかなと思っているのだが、思いの外誰も文句も言わず残業代のでない仕事をしている。

私はこの会社を辞めるときに必ず訴訟を起こして残業代、休日出勤代の全額を支払わせるつもりで居るのだが、そもそもが自分の仕事に対して適正な賃金と働きた分の残業代を払わない会社も悪いが、それを払えない事を知りながら安値で仕事を出す大手運送会社が最大の問題なのだ。

本当に誰でも知っているクリーンなイメージの運送会社だ。
それが実は傭車という形でとてつもない労基法違反をおかしている現実がある限り、この業界に入ってきたい人など増えるはずもない。
結果うちの会社はおじいさんばかりだ。